「霊感商法」とのかかわりが社会問題化し、1990年代には「国際合同結婚式」が関心を集めた世界基督教統一神霊協会(統一教会)が1日、法人の名称を変更したと発表した。新名称は「世界平和統一家庭連合」。97年以降、海外では順次変更しており、それに追随した措置と教会は説明。「神様の創造理想を家庭に完成することを通して地上天国実現を目指す」としている。
「霊感商法」でトラブル、合同結婚式が話題に
統一教会は、54年に文鮮明氏が韓国・ソウルで創始。59年に「日本統一教会」を設立。68年には反共産主義をかかげる政治組織「国際勝共連合」を結成した。一方、「霊感商法」によるトラブルの報告も相次ぎ、87年には、「全国霊感商法対策弁護士連絡会」が組織され、統一教会が関係するとされた。
92年には、ソウルでの合同結婚式に、日本人の歌手や元五輪新体操選手らが参加したことでも話題となった。
2012年9月、文鮮明氏が韓国で死去。当時の梶栗玄太郎・日本統一教会長は「聖和(逝去)の知らせを受け残念でなりません。私たちは、文先生の志を果たすために、一致団結して精進していく所存です」との談話を出していた。
最低1年間は旧名称と併記
教会によると、名称変更は8月26日。所管する文化庁から名称変更の規則変更が認証された。新名称は韓国やアメリカなど大半の国ですでに使用されているという。
今後は名称変更の周知期間として最低1年間は出版物、公式文書などでは新名称と旧名称を併記する。
教会の広報担当者は取材に対して、「神様の夢と喜びは、理想の家庭の中にある。人間の最大の希望と喜びは家庭の中にある。その家庭の拡大によってこそ世界平和は実現すると信じています」と、新名称に込めた意図を説明している。