一度は脚光を浴びたものの、その後めっきり姿をみかけなくなった「二千円札」。今も正式に流通されている紙幣でありながら、ほとんど手にする機会がない。もしろ、「プレミアがつくのでは?」と思ってしまうほどで、その希少性から、2ちゃんねるには「2000円札が出てくるATM」というスレッドまで立っている始末。そこで今回は、二千円札の現状と手に入れるための方法を探ってみた。
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■実は2003年以降、一枚も刷られていない
二千円紙幣は、2000年に発行がスタートした日本銀行券のひとつだ。紫式部の肖像と『源氏物語』の絵図が描かれたデザインは話題となり、当時は銀行の窓口に両替依頼が殺到した。あれから15年……。そういえば、最近見かけない。今の小学生のなかには、一度も見たことがない子どももいるかもしれない。
それもそのはず、実は一時の「ブーム」を経て、二千円札の流通・使用は著しく鈍化。2003年から新規製造はストップしている。すでに発行済みの紙幣も、その多くが日本銀行の金庫に保管されている状態なのだ。
■では、どこで手に入る? 狙い目は…
では、そんな二千円札はどこで手に入るのか? かつてはローソンに設置されていた旧型のATMが二千円札を優先的に出金する仕様になっていて、二千円札マニアの聖地としてよく知られていた。だが、現在は残念ながら(?)二千円札を出金しない最新型に変更されてしまっている。
一方で、都内の駅であれば、まだまだ手に入るところは多い。JR東日本、東武鉄道、都営地下鉄の駅に設置されている自動券売機の多くが、二千円札の出金に対応している。二千円札情報に詳しいWebサイト「二千円札@wiki」には、JRや私鉄各社の券売機における二千円札の出金事情がまとめられているので、ぜひ参考にしてみてほしい。
ただ、これらの券売機のお釣りで二千円札が出てくる可能性は“運次第”で、確実に手に入るわけではないのでご注意を。
■沖縄では二千円札が大量流通?
首都圏のATMではほぼ壊滅状態の二千円札だが、沖縄だけは少し事情が違う。二千円札はもともと2000年の沖縄サミットを契機に発行されたもので、同県ではゆかりの深いこの紙幣を流通させるべく積極的な促進策をとってきた。
その成果もあって、現在も沖縄では二千円札が大量に流通している。琉球銀行、沖縄銀行などのATMでお金を引き出す際には、二千円札の出金を選択することができる。
■銀行や郵便局でも手に入る
これまで色々書いておきながら恐縮だが、結局のところ、最も手っ取り早いのは「銀行や郵便局で手に入れる」方法だ。窓口で預金をおろす際に、二千円札での出金を申請すると、在庫があれば対応してもらえる。また、店舗内に置かれた一部の両替機でも二千円札に対応していることがあるので、ほしい人は探してみよう。
額面的には二千円分の価値しかないものの、なんとなくプレミアム感がある二千円紙幣。記念に一枚とっておくのも一興かもしれない。
(文・前田智行/やじろべえ)