DMM.comの新作ブラウザゲーム「レーシング娘。」(BROWSER / Android / iOS)は,2015年9月3日から9月7日までの日程でPC版のオープンβテストを実施する。本作は,クルマを擬人化した「R娘。」(以下,R娘)達を育て,自由にカスタマイズしてレースに出走させるゲームとなっている。
同社が得意とする「可愛い女の子達を愛でて楽しむ」という遊び方はそのままに,クルマに対するマニアックな情報が随所に詰め込まれているのが特徴だ。なお,開発会社はゲーム内容を正当に評価してほしいという運営サイドの思惑もあって,あえて公表はされていないが,とある有名な開発会社が制作を行っており,グラフィックスを含めて総じてゲームの質は高い。
今回,短い時間ではあったが,事前にテストプレイをさせてもらったので,そこで得た情報をまとめて紹介していこう。全体的な印象としては,DMM.comのブラウザゲームらしい,手軽にソロで長く遊ぶことができるタイプのゲームとなっている。「艦隊これくしょん -艦これ-」などDMM.comのブラウザゲームのファンと,クルマに興味のある人にはとくに注目してもらいたいタイトルだ。
■クルマネタ満載のマニアックゲーム
本作の魅力は,とにかくクルマへの愛にあふれた作風であろう。クルマをモチーフにした漫画/アニメ/ゲームに関するネタがふんだんに盛り込まれ(タイトルロゴからして某クルマゲームが意識されている?),クルマ好きなら思わずニヤリとしてしまうようなこだわりが感じられる。
また,R娘は,フォームチェンジ(いわゆる進化)することによって,クルマの年代が変わったり,グレードが上がったりして,見た目と性能が大きく変化する。
また,名前が変わらず,前期型から後期型に変わるだけのときも,細かい変更点がきっちり再現されている。ホンダのCR-X delSolなら,フロントのアクセサリライトの有無で前期型と後期型で区別できるといった具合だ。
R娘の入手には,毎日のログインで入手できるディーラーチケットを使う。これを消費すると,R娘の候補が4人登場し,その中から一人を選択する方式だ。
R娘育成については,レースなどに出場することで経験値が入手し,レベルが上がっていく方式だ。このレベルが一定の値に達すると,フォームのロックが解除され,上位のフォームが選択可能となる。実際にフェームチェンジするには,コンテンツの一つ「Battle」で勝利することで手に入る「許可証」と「資源」が必要だ。ちなみに,上位フォームにチェンジすると,ステータスと装備パーツのスロットが増加し,新しいスキルを覚えることもある。
■R娘を育成し,パーツなどをカスタマイズしてレースでの勝利を目指そう
ゲームでは,プレイヤーはR娘の所属するチームを運営する“監督”として,世界各地で開催されるレースにR娘達を派遣して勝利を目指す。
レースには,レギュレーションが設定されていることがあり,これを満たしたR娘でないと参加ができない。レギュレーションを満たしていても,レースで勝つことを考えると,パーツのセッティングやチューニング,スキルの装備などやることは数多い。ここでは,レース前にチェックすべき項目を解説しよう。
●R娘の能力
最高速はその名のとおり,どこまでスピードが出るのかを表し,加速力は最高速に到達するまでのスピードを表すパラメータだ。コースでタイムを縮めるためには,この最高速と加速力のバランスが大事になる。
●セッティング
●R娘のスキル
実際にレースが始まると,R娘は自身の判断で走行し,プレイヤーはコースの全景を見たりすることはできるが,基本的には彼女達の走りをただ見守ることになる。
スキルが発動するたびにカットイン画面に表示され,熱いデッドヒートが繰り広げられるが,レベル上げのために何度もプレイする場合,倍速モードで展開を早くしたり,レース自体をスキップして結果だけ表示させることも可能となっている。
レース後は参加させたR娘のメンテナンスが必要だ。走行で減ってしまった耐久値は「REPAIR」で回復させ必要があるが,これには自然に増えていく資源(FRP/ガラス/鋼材)と,一定の修理時間を要する。レース中に耐久値が0になると強制リタイアとなり,スクラップ状態(復帰に多大な資源と修理時間が必要)になってしまうので,毎回修理するのがオススメだ。
■R娘との触れ合いからレースに役立つ要素まで数多くのコンテンツを完備
続いて,R娘の育成とレース以外のサブコンテンツを紹介しよう。
いわゆるクエストの意味合いが強い「MISSION」は,毎日更新されるものを含め,その目標を達成すると資源や貴重なアイテムが入手できる。ミッションを受諾するというプロセスはないので,こまめにチェックするだけで良い。
「Sponsor」というコンテンツは,スポンサーが出してくるお題に対して最適なR娘を選択し,運がよければアイテムなどが手に入るというもの。所要時間が設定されているので,レースに出場させないR娘をこのコンテンツで活用することになるだろう。大型バスなどのレースに向かないようなR娘は,このSponsorで活躍できるのかもしれない。
対人要素の「Battle」は,ほかの監督達が育てたR娘とレースを行うことができるコンテンツで,非同期型で複数のR娘がレースに出場する。バトルは1日に5回までと回数制限されているが,フォーム開放に必要な許可証が手に入るので毎日欠かさず出場したい。ランキングも開催されているので,自分の育てたR娘の実力を確かめるために参加するのも一興だろう。
パーツの開発については,ミッションなどで手に入る「発注書」と資源を組み合わて自力でパーツを生み出すことになるが,これは投入する資源の量とバランスによってできあがるパーツの傾向が異なってくる。同じパーツでも“特別性”など,性能が違ったものができたりするので,配合を研究する価値はありそうだ。
R娘達と直接触れ合えるお楽しみ要素としては,レース勝利時の「ビクトリーシャワー」と「ワックスがけ」が挙げられる。ビクトリーシャワーは,勝利で喜ぶR娘に向かってシャワーを浴びせて,喜びを分かち合おうというもので,着ている服が濡れて大変なことになったりする。専用の画面になるが,ビクトリーシャワーの結果でステータスが変わるようなことはないので,紳士らしく振る舞いたい。
ワックスがけは,専用の画像があるわけではないが,ワックスをかけることで「調子」がよくなり,レースで普段以上の能力を発揮……できるかもしれない。専用ワックスという特殊なアイテムが必要なので,手に入れたらお気に入りの娘をしっかり手入れしてもらいたい。
カーステレオとでもいうべきサウンド関連の要素が充実しているのも特徴で,ホーム画面/レース/バトル/イベントなど,好きな場面で好きな曲を流せるようになっている。テストプレイ時は確認できなかったが,プレミアムサウンドとして有料の楽曲も多数用意する予定もあるとのこと。ちなみに,デフォルトで用意された音源を担当しているのは某レースゲームの楽曲でも有名なSuperSweepだ。
ゲーム全体で見るとレースが完全オートであることもあり,手軽さを重視したコンパクトなブラウザゲームとなっているが,設定周りに関しては異常なほどのこだわりが溢れていて,“愛車擬人化&シミュレーター”というジャンル名のとおりのタイトルに仕上がっている。キャラクターが可愛いからという理由でゲームをプレイしても十分に楽しめるのだが,クルマへの造詣が深い人ほど,本作の魅力にはまってしまうのは間違いないだろう。
リンク:「レーシング娘。」公式サイト
―――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――