「抗日戦における共産党軍の貢献は最大で5%」と台湾元首相が批判・・・中国メディア「卑怯者、ここまで来て言え!」 | ニコニコニュース

サーチナ

 台湾で、1980年代から90年代にかけて参謀総長、国防部部長、行政院長(首相)などを務めたハオ柏村氏(1919年生まれ)が、抗日戦にかんする中国共産党の姿勢への批判を強めている。中国メディアの環球網は、ハオ元首相らが抗日戦争勝利70年を祝賀する大規模な式典に出席しないことを理由に「臆病者」と非難した。(「ハオ」は「赤」におおざと)

 英BBCは7月2日付で、ハオ元首相へのインタビュー記事を中国語サイトに掲載。ハオ元首相は抗日戦の主力は国民党軍であり、中国軍の貢献は「たかだか5%」と主張。共産党が自らを「抗日戦の切り札だった」と主張していることについて「公正さにかける」と批判した。

 ハオ元首相は8月27日、「台北、北京、日本、さらに全世界の第二次世界大戦研究者が共同で討論会を開催し、歴史の真相について共通認識を作る」ことなどを提案する、大陸指導者に向けた公開書簡を発表した。

 台湾当局は、中国が3日に開催する、軍事パレードなどの祝賀式典に出席しないよう求めてきた。ところが、国民党の連戦名誉主席は出席のため、大陸を訪問中だ。大陸寄りと批判されることの多い馬英九総統すら、連名誉主席の軍事パレード出席は「望ましくない」と述べた。しかし連名誉主席は出席を強行するとみられている。

 連名誉主席は1日、中国共産党の習近平総書記と会談し、「意気投合」したという。中国メディアの環球網は、批判を恐れず訪中した連名誉主席に比べてハオ元首相は、「相当に卑怯だ」と非難した。

**********

◆解説◆


 国民党の連戦名誉主席や馬英九総統には「民意を読み、民意をリードすることが苦手」との特質がある。「追い風」の時はまだしも、世論が割れる問題になると、言動の不手際もあり、国民をなおさら猛反発させてしまう。

 2人を抜擢したのは李登輝元総統だ。李元総統は学問の世界から、なかば偶然に政界入りした。古くからの盟友はいない。また、国民党は外省人(戦後になり中国から渡った人)の牙城であり、台湾生まれの李元総統は、その点でも多いに苦労した。

 李元総統は、政治のさまざまな面で「偉大なる力」を発揮した。それでも政界中で人脈が乏しいため、自分の手足として働く存在は足りなかった。台湾では、「連戦や馬英九のような能力に欠ける者を抜擢したのは、李元総統の大きな失敗だった」との指摘がある。(編集担当:如月隼人)(写真はハオ元首相を「卑怯」と非難した環球網の記事掲載頁キャプチャー)