ついに夏も終わり。さみしー! みんな、たくさん海に行ったかな?
今回はカリブ周遊を締めくくる最後の海、プエルトリコから行ける世界ベストビーチと、お隣のドミニカ共和国のリゾートビーチを一挙公開~!
まずはプエルトリコを離れる前に、フェリーで1時間の離島「クレブラ島」へ。2015年「トリップアドバイザー」で8位に輝いたビーチです。
プエルトリコで出会った仲間たちと、朝4時集合で港に向かうもすでに長蛇の列! ディズニーのように2時間程並んでやっとゲートオープンしたかと思うと、大型船にも関わらず「今日は団体予約があったから船に乗れるのは、あと5人だけでーす」とあり得ない展開。
「聞いてないよ~」とダチョウばりにズッコケ、辺りはどよめくも、プエルトリコの人々は割と冷静で暴れだすような人はいないみたい。
「このビーチに行くチャンスはもうないんだろうな」とションボリしていると、仲間のひとり、ミゲルが立ち上がった。
チケット売り場の人を相手に「他の島へ行くか、違う時間なら行けるのか、やっぱり諦めないとなのか」。スペイン語の交渉は続く。最後にはどこかへ電話をかけ、なんと私たちのグループだけ船に乗れることになったのだ!
「なんでなんで?」と尋ねてみたけれど、「愛だよ、愛っ」。そう言って、グーで心臓の辺りをトントンッと叩いた。はるか遠い日本から来た私に絶対見せてあげたかったと言うミゲル。プエルトリカンは友達思いの熱い心を持っているのだ。
そうして、数ある美しいカリブ海から選ばれた「フラメンコビーチ」にやってきた。現地の人にも大人気の海は、太陽の光が眩しく、透明度がハンパない!
季節の関係で砂浜には海藻類が打ち上げられているけど、海はサイコー! 水は少し暖かく、ベロア生地のようなヌメり感のある柔らかい波が肌に心地良く触れる。さすが、世界8位の海だった。
お次は、プエルトリコの西隣に浮かぶ「イスパニョーラ島」へ。この島には「ドミニカ共和国」と「ハイチ」のふたつの国がある。(ちなみにカリブ海にはドミニカという国もありますが、ドミニカ共和国とは別の国)
ドミニカ共和国のリゾート地「プンタカナ」へ到着すると、生憎(あいにく)の大雨で動けない。しかも前夜はプエルトリコ仲間とドンチャンして激ネムだったため、いきなり空港ベンチで爆睡。数時間、気絶していると「おいおい、大丈夫か?」と起こされ、ボンヤリしながら市内へ出る方法を探る。…が、足がタクシーしかない。目的地まで30~40ドルはかかる。こういったタイプの国は旅人にはツライ。はぁ…。
しぶしぶタクシーに値段交渉をし、5ドルほどまけてもらい市内へ。でも、ここは食べ物や飲み物付きのオールインクルーシブタイプのホテルで過ごすのがの普通のリゾート地。周りにはゴルフ場くらいしか見当たらない…。
安宿があったのがせめてもの救いだが、数少ないレストランは割高。空腹を満たすため、スーパーで買った缶詰のソーセージとオイルサーディンを食パンに挟んでみるが、すこぶるマズイ。自分が可哀相になるほどオーマイガーな味だった。
どんどん下がっていくテンション。でもそれに反比例して空が晴れあがってきたので、唯一の期待、プンタカナのカリビアーンなビーチに行くことにした。
すると、そこには…。 ノーーーーー!
目の前に広がるのはコンブ・コンブ・コンブ! オーマイガー! オーマイコンブ!
これまた季節の問題で仕方ないのだが、美しいと聞いていたプンタカナはまさかの昆布地獄だったのだ!! これだけコンブが干からびてるなら出汁(だし)でもとってやろうかと思うほど。波打ち際に近寄ると、そこはもう味噌汁状態で昆布がフワフワと浮いていた。勇気を出して入水する人たちの顔もいまひとつ曇っている。
そりゃあそうだ。これがペトリと体にまとわりつく感触はなんとも気持ちが悪いのだから。私は足首までで断念。
そんな中、運んでも運んでもなくならないコンブを一生懸命掃除する人たちがいた。話しかけてみると「フロム ハイチ」と言う。ハイチの失業率は70%にものぼっていて、多くのハイチ人がドミニカ共和国へ出稼ぎに来ているんだとか。
ハイチは南北アメリカの最貧国で、長年にわたる政情不安に加え、2010年の大地震では約31万人の死者を出した。そのGDP(14年、ひとり当たり)は832ドルであるのに対し、ドミニカ共和国は6044ドル。ひとつの島を分ける2国だけれど、経済的には圧倒的な格差があるのだ。
プンタカナでの目的を失った私は、首都のサント・ドミンゴに移動しようとするも、今度はストで道が封鎖。「明日も明後日もストだよ~」。宿の人に呑気にそう言われてしまったが、これでは次のフライトに間に合わない。仕方ないので完全敗北のまま、この国を去ることにした。
車タクシーよりかは安いバイクタクシーに乗ると、原チャにノーヘルで2ケツさせられ、背中にはバックパック、片手に飲みかけの牛乳パックを持ちながら、もう片方の手で運転手の汗ばんだ肩をしっかりつかんだ。途中、ガタついた道で何度かコケそうになり、死ぬかと思った。
空港では「チクングンヤ」という、蚊によって感染するデング熱のような疾病の注意があった。「チクン」という響きが日本語で刺される時の擬音で面白いけど、笑ってはいられない。
デング熱のように38度以上の高熱と関節痛に発疹など、10日から場合によっては数ヵ月も苦しむ疾病。実はプエルトリコの友、ケンもチクングンヤにかかり、手足のしびれを訴えていたのだ。
私は宿で蚊を30匹くらいは退治したと思うけど、それでも相当刺されている。どうかチクングンヤという病にかかっていませんように…。
そして、慌ただしく駆け抜けた中米&カリブの2ヵ月半を終え、一時帰国の途に。次のヨーロッパ編まで、しばしお休みいただきます。みんな、また9月下旬に~!
【This week’s BLUE】
クレブラ島にあったもうひとつの戦車はプエルトリコカラー。カッコイイ!
●旅人マリーシャ
平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背 負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログhttp://ameblo.jp/marysha/、Twitter【marysha98】もチェック