古今東西に伝わる「死神」という存在を独特の解釈で物語に落とし込み、熱狂的な支持を集めているマンガ『BLEACH』。本作の見所のひとつでもあるのが、それぞれの死神が携えている武器・斬魄刀(ざんぱくとう)だ。持ち主の個性にあわせて形状・能力が異なり、それがバトルに華を添えている。そこで今回は、本作に登場するさまざまな斬魄刀のなかで、「史上最強」だと思うものはどれか、アンケートを実施してみた!
【調査対象:全国の40歳未満の男女230名 2015年6月実施】
【1位】斬月(ざんげつ)
堂々の1位に輝いたのは、本作の主人公・黒崎一護が持つ「斬月」だ。通常、死神が持つ斬魄刀は、「始解」と呼ばれる解放の儀を経て、それぞれの固有の形状・能力を発揮するのだが、一護の斬月は、常時「始解」状態を保つという珍しいタイプである。その形状は、一言で表すならば「出刃包丁」。余計な装飾などなく、非常に簡素だ。備わっている能力はただひとつ、「月牙天衝」のみ。その技も、斬撃を巨大化させて飛ばすという、ストレートなもの。猪突猛進タイプの一護ならではの能力と言える。ちなみに、「卍解」と呼ばれる二段階目の能力解放時には、「天鎖斬月(てんさざんげつ)」となり、それまでとは一転し、非常にスマートな日本刀の形状に変化する。
【2位】鏡花水月(きょうかすいげつ)
斬月に僅差で敗れ、2位となったのは、「鏡花水月」。死神たちが住む「尸魂界(ソウル・ソサエティ)」転覆を狙った張本人・藍染惣右介が携える斬魄刀である。その能力は、「完全催眠」。視覚を通して、対象の五感や霊感を支配し、コントロールするという凶悪なものだ。藍染はこの能力を利用し、自らの死を偽装、そして死神たちを混乱の渦へと巻き込んだ。裏で暗躍する藍染の目論見は誰にも気付かれることなく、尸魂界篇終盤でその正体が明らかになったときには、登場人物たちと同様に、多くの読者も衝撃を覚えた。しかし、最後には、一護の月牙天衝の前に沈むことになる。軍配は、やはり斬月にあがった。
【3位】千本桜(せんぼんざくら)
3位にランクインしたのは、尸魂界の四大貴族「朽木家」の当主・朽木白夜の「千本桜」。その能力は、数ある斬魄刀のなかでもトップを争うほど美しく、「始解」にて能力を解放すると、刀身が無数の刃に分裂し、桜の花弁のように宙を舞う。しかしながら、その見た目からは想像もできないほどの破壊力を持ち、安易に動こうとすれば、無数の刃によって身体が切り刻まれてしまう。まさに、キレイな花にはなんとやら、だ。「卍解」状態の名称は、「千本桜景厳(せんぼんざくらかげよし)」。刀は地面に吸い込まれ、それと同時に千本の刀身が現れ並立する。それらが一気に無数の刃となって舞うシーンは、息を呑むほどの美しさ。本作の名シーンのひとつである。
【4位】流刃若火(りゅうじんじゃっか)
死神たちの頂点に君臨する、山本元柳斎重國が扱う「流刃若火」が4位に登場。あの藍染をして、「最強の斬魄刀」と言わしめるほどの力を有しており、炎を操る「炎熱系」の斬魄刀のなかでも最古の刀である。「始解」の段階から周囲に炎を立ち昇らせるほどの威力を見せ、「卍解・残火の太刀」となると、天候を支配する「天相従臨」という能力が付随される。発動を維持し続けると、なんと尸魂界をも滅ぼす危険性を孕んでいるというから、恐ろしい…。そんな畏怖の対象にすらなりうる斬魄刀だが、所有者である山本は、一見すると飄々としたおじいちゃん。趣味はお茶会という可愛らしい人物である。
【5位】氷輪丸(ひょうりんまる)
5位は、日番谷冬獅郎が持つ「氷輪丸」。氷を自在に操る「氷雪系」斬魄刀のなかで最強と言われているものだ。こちらも山本の斬魄刀同様に天候を操る力を持ち、「始解」状態で、触れたものすべてを氷漬けにする竜を創り出す能力を所有している。また、「卍解」時には、「大紅蓮氷輪丸」となり、日番谷自身が巨大な氷の翼をまとう戦闘スタイルへ変化する。ただし、日番谷自身がまだ子どものため、「卍解」を維持できる時間が非常に短く、それが致命的になる場面も。ちなみに、一部の女子からは、彼自身の人気も高く、Google予測変換では、「日番谷冬獅郎 受け」という不穏な変換がされてしまう…。
そのほか、
突飛な設定を持つ斬魄刀が多数登場する本作。一概に比較することは難しいが、やはり主人公の斬魄刀が1位となったことに納得のファンも多いのではないだろうか。物語自体は佳境へ突入したと言われているが、今後も予想の斜め上をいく斬魄刀が登場することに期待したい。
文=前田レゴ