2018 FIFAワールドカップロシア アジア2次予選が3日に行われ、日本代表はカンボジア代表と対戦し、3-0の勝利を収めた。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督就任以来、公式戦では5試合目で初勝利となった。
試合後、会見に応じたハリルホジッチ監督は、「選手もプレシャーを感じていたと思うし、戦う意志はかなりあったと思う。この勝利に関してはもう少し点が入ったと思うが、チャンスをたくさん作り、3点しか取れなかったのは満足していない。このチームはもっと効果的なところが上がっていくと思うし、今日は少し運もなかった。戦うスピリットは素晴らしかった。そしてDF面はすばらしい働きをしてくれた。相手は2本以上の連続パスができなかったと思う」と試合を振り返ると、「次は敵地で2つ目の勝利を取りに行かねばならない。勝利へ続く段階だと願っている」と連勝に意気込みを語った。
6月に行われたW杯予選初戦では、格下のシンガポール代表と対戦しまさかのスコアレスドロー。そこからEAFF東アジアカップでも勝利を挙げることが出来ず、4戦未勝利でカンボジア戦に臨み、3-0でW杯予選初白星となった。
「シンガポール戦のあと、みんなが結果を飲み込めない状況だった。今年の夏はシンガポール戦の引き分けをひきずって過ごした」と語るハリルホジッチ監督は、「全スタッフ、サポーターもシンガポール戦は素晴らしい雰囲気を作ってくれた。絶対に勝たなければいけなかったし、他の選択肢はなかった。もっと点を取って勝つのが理想だが、今夜はネガティブにはならない。おめでとうとだけ言いたい」とチーム一丸となって勝ち取った白星に安堵の様子。
ハリルホジッチ監督は、引いてくる相手に対して、「得点をとるためのポジションを取らないといけない。一番良いのはサイドからの攻撃。そして中央のコンビネーションはワンタッチで行くのが理想で2、3回のパスをコントロールなしでつなぐこと。もしくはミドルシュート」と攻略方法を語るも、「こんなにセンタリングを上げても、合わせるところが足りなかった。何回センタリングをしたか分からなかった。FKからヘディングになって、CKにしたのが唯一の成功」とサイド攻撃が活かされていなかったことを指摘。
「岡崎(慎司)と武藤(嘉紀)が同じラインに入ってしまった。時々はマイナスのセンタリングをもらうとか、香川(真司)もFWの2人に対して少し引いた状態になってしまった」と問題点を挙げると、「特に長谷部(誠)と山口(蛍)にもマイナスのボールをもらってミドルシュートを打ちにいけと言った。でも真ん中のゾーンに守備がたくさんいて難しかったと思う。それから3人目の動きも要求したがスペースがなかった」と続けた。
そして、「我々は弱いとは言わないが、チームが低いブロック(自陣に引いての守備)できた時に点を取るというのは、全世界で難しい」と語ると、「後半にはポジションチェンジをした。武藤を中に入れ、香川を外に置いて相手が困るようなこともトライした」と対策を明言。「センタリングに関して、これからビデオを見返すが戦略的に同じラインにならないように全てのことを伸ばしていかないといけない」と改善を誓った。
さらにハリルホジッチ監督は、「6~7秒で相手のボールを奪えと言っていたが3秒で奪っていた。パスももっと伸びていくと思う。いろいろなものが伸びていく。そしてどの分野を伸ばさなきゃいけないかも私は完璧に知っている」と、まだまだ代表チームに成長する余地があると断言。そのため、「もっとグラウンドで練習する時間が欲しい。本当に時間がないので、ほしい」と練習の時間を要求している。
次の試合は、8日にイランの首都テヘランにあるアザディ・スタジアムで行われるアフガニスタン戦。ハリルホジッチ監督は、「状況によるが、アフガニスタン戦では、彼らも引いてくると思う」と同試合を見据えると、「おそらく同じような状況になるので勝ちにいくことを要求する。今日も10~15個のビッグチャンスを作ったが、まだ完璧ではない。私が彼らに求める理想はまだまだ。このチームはまだ伸びる。それは確実に言い切れる」と、もっとよいパフォーマンスができるとコメント。そして、「アフガニスタン戦では勝つためにプレーをしたい。勝利のスパイラルを続けたいし自信をつけたい」と、改めて連勝への意欲を語った。