マタハラ事業者名を初公表=茨城の病院、妊娠の職員解雇―厚労省

 厚生労働省は4日、妊娠を理由とした解雇をやめるよう求めた勧告に従わなかったとして、男女雇用機会均等法に基づき、看護助手の女性を解雇した茨城県内の病院名を公表した。妊娠や出産を理由に退職などを迫るマタニティーハラスメント(マタハラ)で事業者名を公表するのは初めて。

 同省によると、勧告に従わなかった病院は茨城県牛久市の「牛久皮膚科医院」。看護助手の20代女性が2月、安良岡勇院長に妊娠を報告したところ、約2週間後に「妊婦は要らない。あしたから来なくていい」と突然解雇を告げられたという。

 女性から相談を受けた茨城労働局が3月以降、口頭や文書で再三指導したが、院長は解雇を撤回しなかった。このため塩崎恭久厚労相が初の勧告を行ったが、院長は「均等法を守るつもりはない」などと答えたため、同省が公表に踏み切った。

 同省は「妊娠を理由とした解雇は違法だが罰則はない。粘り強く指導を続けたい」としている。

 同医院の電話は「院長の体調不調のため休診」などの音声メッセージが流れ、院長は取材に応じていない。