【北京時事】中国天津市政府は5日、8月に発生した巨大爆発の跡地を整理した後、「海港生態(エコ)公園」を建設する計画を発表した。消防隊員ら160人が死亡し、「人災」との批判が相次ぐ中で、インターネット上では惨事を消し去ろうとする政府の動きに批判が集中している。
爆発では消防隊員104人が犠牲になり、今も13人が行方不明。毒性の強いシアン化ナトリウムなど危険化学物質が大量に爆発し、水質や土壌、大気の汚染に懸念も強まっている。
天津市政府が微博(中国版ツイッター)で明らかにした建設計画によると、緑地が多くを占める海港生態公園は11月に着工し、来年6月に完成。近くに小学校や幼稚園も建設する。政府は電話やメールで市民から意見を聴き、計画や建設に反映させるという。
計画の概要では「公園内の芝生に、犠牲になった消防隊員を称賛する彫刻などを設置し、歴史の教訓を明記する」と説明している。
しかし、ネット上では「事故調査の結果がはっきりしていないのに、痕跡を消そうとしている」「『人災公園』と名付けるべきだ」「『災難館』を造るべきだ」「学校や幼稚園ではなく、政府庁舎を移転すれば、市民に『無毒・無害』を証明できる」などの声が相次いでいる。