埼玉県狭山市で小中学校などを運営する学校法人「文理佐藤学園」の佐藤英樹理事長(80)と調査委員会は4日、同学園で記者会見を開き、理事長の長女で学園長の佐藤仁美氏(44)が経費約1500万円を私的に流用していたと明らかにした。仁美氏はすべての役職の辞任届を理事長に提出。学園側は処分を検討するという。
同委員会によると、流用が確認されたのは2012年7月以降で計1482万7569円に上った。仁美氏はこの間、海外視察目的で9回、米国や英国などを訪問。規定を超える宿泊費や私的な飲食、宝石店での買い物などに経費を支出していた。短距離航路でもビジネスクラスを利用するなどしていた。
佐藤理事長は「親としての認識の甘さを反省したい」と謝罪。「今まで以上に教育に力を入れ、しっかりとした教育体制にしていく」と語った。
仁美氏は09年4月に学園長に就き、10年4月からは系列校の校長も務めていた。
文部科学省学校経営法人指導室は、調査委の報告書について、「調査した期間や内容の不足を指摘した。再発防止策と併せて改めて報告するよう求めており、その内容を検討した上で、適切に指導したい」と話している。