セミの「死んだふり」、なんで?――専門家に聞いてみた! | ニコニコニュース

セミの「死んだふり」、なんで?――専門家に聞いてみた!
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夏の終わり、至る所でひっくり返っているセミ。「ああ、彼らも寿命を全うしたのだなあ……」と思い近づくと、突如襲撃された経験を持つ人は多いのではないだろうか。
「教えて!goo」「セミが死んだフリ??」という投稿には、「玄関前でよくセミがひっくり返っているのですが、ああ、死んじゃったのかなぁなんて思って土に埋めてあげようとしたら指につかまってきました。(中略)…セミは死んだフリするのでしょうか? それともひっくり返ったら自力では起きれないのでしょうか? なんでひっくり返るのでしょう??」と質問者。これに対して、

「たぶん死んだふりではなくて死にかけなのでは」(noname#2437さん)、「そこでひっくり返っていればやさしくしてもらえると口コミで広まっているとか(笑)」(todorokiさん)、「セミは飛ぶのがとても大変だと聞いたことがあります。長距離を飛べません。あの羽であの体重を支えて飛ぶのは難しいということらしいです。だからよっぽどのことがない限り飛ばないようにしているらしく、下に落ちてもすぐに飛べないのでは?」(riyu_tさん)など、様々な憶測が飛び交っていた。

■セミの終末?専門家に聞いてみた!

この謎の行動について、セミの生態に詳しい大阪市自然史博物館の初宿さんにお話を伺った。

「地上に転がっているセミですが、死んだふりをしているのではなく単に死にかけているだけです。人間が近づくと飛び去るのは、最後の力を振り絞って逃げているのでしょう」(初宿さん)

そろそろ、セミの寿命が尽きる時期。死んだふりをしているのではなく、体力がないのでやむなくひっくり返っているだけなのだとか。ちなみに、仰向けになるのは羽側に重心がかかった状態が物理的に安定しているかららしい。


だが、問題は息絶えたセミも同様にひっくり返っているということ。セミが大の苦手という人のために、生死の見分け方について聞いてみると、

「足が開いているか、組んでいるかで見分けることができます」(初宿さん)

とのこと。足を開いていたら生きており、組んでいたらすでに死んでいる可能性が高いようだ。

余談だが、このセミの状態をネット上で“セミファイナル”と名付けられている。ツイッターをきっかけに広まったらしいのだが……ううむ、何とも絶妙なネーミング。


道端で突然襲われるのに恐怖を感じる人もいるだろうが、彼らも生きるのに必死。最後に残った力を絞り、飛び立つ先はどこなのか――。我々には知る由も無いが、死にかけのセミを見かけた際は、ぜひとも優しく見守ってあげたいものだ。

(酒井理恵)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)