週末に集中、手口共通点=重要運行設備狙い放火か―針金やペットボトル・JR不審火 | ニコニコニュース

 東京都内のJR東日本の線路脇などで相次いでいる不審火。5日にも国分寺市のJR中央線のワイヤのカバーで焦げた跡が見つかり、8月以降、放火の疑いがある不審火は7件となった。少なくとも4カ所で針金とペットボトルのような物が見つかる共通点があったほか、送電用ケーブルカバーが焼損したり、変電所でぼやが発生したりするなど列車運行上の重要施設で被害が出ているのが特徴。JRの設備に詳しい同一人物による犯行の可能性も浮上している。警視庁は器物損壊や威力業務妨害容疑などで捜査を進めている。

 7件のうち1件が郊外の国分寺市、6件が品川、渋谷、目黒などいずれも23区内。山手線のケーブル火災を除き、不審火はいずれも土曜か日曜に確認されている。

 8月23日に不審火が発生したJR東日本品川変電所は周辺の路線に送電しており、山手、横須賀、湘南新宿の各線が交わる場所に位置している。この不審火の1週間前には変電所から徒歩数分にある同社大崎運輸区付近で雑草が燃え、現場から液体の入ったペットボトルが見つかった。周囲には山手線など首都圏の在来線の保守点検を行う同社東京総合車両センターがあり、列車運行の要所になっている。

 渋谷区の恵比寿駅近くの山手線火災では、カバーのつなぎ目の柔らかく燃えやすい樹脂製の素材が使われている部分が焼損していた。

 国分寺市を含めると7件中4件の現場でペットボトルのような物と針金が見つかり、目黒区の山手線に架かる陸橋ではフェンスから長さ約1メートル60センチの針金が垂らされ、架線に取り付けられたプラスチック製の滑車の一部が焼けて溶けていた。

 また、品川変電所の不審火では、男がフェンス越しに変電所に何かを投げ入れる姿が目撃され、自転車で走り去る様子が防犯カメラに写っていた。恵比寿駅近くの不審火でも、出火前後に自転車に乗った人物が防犯カメラに写っており、警視庁が関連を調べている。