【アンカラ時事】トルコの首都アンカラで開かれていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は5日夕(日本時間同日深夜)、2日間の討議の成果をまとめた共同声明を採択し、閉幕した。声明は「力強い成長を達成するため、マクロ経済・構造政策の役割を再確認する」と強調。名指しを避けながらも、各国が世界経済のリスク要因と懸念する中国に構造改革の加速を強く求めた。

 日本からは麻生太郎財務相と黒田東彦日銀総裁が出席した。会議では初日の討議から、中国問題に議論が集中。先進国、新興国の双方から中国に人民元改革の透明性向上や過剰設備の解消、不良債権処理といった構造改革を求める声が相次いだ。

 声明は世界経済の現状について、「成長は期待する水準に達していない」と指摘した。その上で、国際的な金融市場の不安定な動きを踏まえ、「必要に応じ新たなリスクに対処する」ことを確認した。

 為替相場に関しては、中国の人民元切り下げを受けた通貨安競争への懸念に配慮し、「市場原理に基づく為替制度への移行を目指す」との方針を再確認。改めて「通貨の競争的な切り下げを回避する」ことで一致した。