ついにアップルも!
AI(人工知能)の分野のひとつ、ディープラーニング(深層学習)の研究開発は、これまでグーグルが業界をリードしてきました。この夏には、あの悪夢映像を生成する「Deep Dream」や、よりリアルな視覚を動画で再現する「Deep Stereo」など、ニューラルネットワークを使った研究成果が話題を呼びましたよね。
アップルはといえば、他の巨大企業と比べるとAI分野では少しばかり後れを取っているように見えました。でもここへきて、AIの専門家を少なくとも86人採用することが明らかになったんです。
アップルがAIに本腰を入れる狙いは、AIでiPhoneユーザーの潜在的なニーズを解析しながら情報を通知すること。まさにグーグルがやってきたようなことですが、Androidに対抗して、iOSでもそういったサービスを充実させるためだとか。
ですが、アップルの場合は、これまで守り続けてきたユーザーのプライバシーという、大きな壁もあります。AIのディープラーニングの精度を上げるには、ユーザーの行動をトラッキングして手に入れたビッグデータを、クラウド上で処理する仕組みがどうしても必要だからです。でも、アップルはiPhoneから取得したデータをクラウドに上げることはしてきませんでした。
これをしてしまうと、プライバシーの保護というアップルの価値が損なわれてしまうかもしれません。ユーザーにとって、これは大きな安心材料になっていましたから。かといって、このままだとAIの開発やサービス化は遅れを取りっぱなし...。これ、結構なジレンマですよね。
とはいっても、そこはアップル。すでに学会からは、AI関連の研究機関との連携を強化しているという指摘もありますし、なにかしら勝算があるのでしょう。もしも、ユーザーのプライバシーを安全に守りながら、グーグルに対抗する方法を見いだせれば、一気に形勢逆転!となるかもしれませんよ。
ギズモードは、
9月10日午前2時から
アップルの新製品発表会の情報をリアルタイムで更新します。iPhone 6sや新型iPad、新型Apple TVなどが発表されるかも。
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source: Reuters
(高橋ミレイ)