本日未明に米アップルが発表した「iPad Pro」ですが、その姿を見て米マイクロソフトの「Surface」シリーズを想起した人も多いはず。そこで、同じ “プロ” を冠するモデルとして「Surface Pro 3」とスペックや特徴を比較し、その違いについて探ってみたいと思います。
まずはスペックから。
スペック対決
太文字表記は優っているものになります。
(※公式サイトに公開されている情報のみを抜粋したため、両社のアピールポイントが異なるなどの理由で表記されていないスペックがあるかもしれません。)
Surface Pro 3 | iPad Pro | |
搭載OS | Windows 10 Pro | iOS 9 |
ディスプレイ | 12インチ マルチタッチ対応 | 12.9インチ マルチタッチ対応 Retinaディスプレイ |
解像度 | フルHD+ (2160 × 1440) | 2734 × 2048 |
CPU | Intel Core i3-4020Y 1.5GHz Intel Core i5-4300U 1.9GHz Intel Core i7-4650U 1.7GHz | 64bit A9X M9モーションコプロセッサ |
RAM | 4 GB・・・① 8 GB・・・② | 4GB |
内蔵ストレージ | ① 64 / 128 GB ② 256 / 512 GB | 32GB / 128 GB 128 GB(Cellularモデル) |
背面カメラ | 約500万画素 1080p HDビデオ撮影 | 約800万画素 1080p HDビデオ撮影 スローモーション タイムラプス 顔検出機能 |
前面カメラ | 約500万画素 1080p HDビデオ撮影 | 約120万画素カメラ 720p HDビデオ撮影 自動HDR 顔検出機能 |
通信 | Wi-Fi 802.11ac/a/b/g/n Bluetooth 4.0 | Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac Bluetooth 4.2 MIMO対応HT80 デュアルチャンネル (2.4GHz / 5GHz) 3G LTE |
外部端子 | USB 3.0 Mini Display Port microSDカードリーダー ヘッドセットジャック カバー端子 電源端子 | Lighteningコネクタ ヘッドフォンジャック |
センサー | 光センサー 加速度計 ジャイロスコープ 電子コンパス | 環境光センサー 加速度センサー 3軸ジャイロ 電子コンパス 気圧計 Touch IDセンサー |
オーディオ | ステレオスピーカー ×2 | ステレオスピーカー ×4 |
サイズ(H×W×T) | 201.3 × 292 × 9.1 (mm) | 305.7 × 220.6 × 6.9 (mm) |
重さ | 約800 g | 713〜723 g |
展開色 | シルバー | シルバー ゴールド スペースグレイ |
価格 (上:最低、下:最高) | 11万1024円(税込) 25万7904円(税込) | 799ドル(約9万6000円) 1049ドル(約12万6000円) |
その他 | Office Home and Business Premium Surfaceペン同梱 | Office for iOS FaceTime通話 Apple Pencil別売 |
スペックを比較してみると、ディスプレイやカメラ、通信方式の種類でiPad Proに軍配があがり、RAMや内臓ストレージ、外部端子の数では、バリエーションの豊富さからSurface Pro 3が勝る結果となりました。ユーザーがデバイスで何をしたいのかどのような機能を求めるかによって、わりと簡単に判断を下すことができそうです。
タブレットかPCか
タブレットとして比較をしてみると、iPad Proの方が12.9インチと大画面ながら、薄さや重さなどでより持ち運びやすく手に持って扱いやすい端末と言えそうです。また、iPad ProはCellularモデルが用意されているなど、通常のiPadシリーズの特徴を併せ持った端末となっており、そのまま大型化したような印象を受けます。
iOSデバイスとして捉えると、iPad ProがPCライクな端末ではないことがさらによく分かります。iOSを搭載した端末は、iPhoneからiPad Proまでのラインナップとなりましたが、そのインターフェースや基本デザインは、内部のUIに至るまで統一されており、違いといえばディスプレイサイズとそのサイズに準じたスペックの違いだけで片付けてしまうことができます。
今回の発表では、iPad Proにも画面分割マルチタスク機能が搭載されることになりましたが、それも画面のサイズに準じたものと言えます。
一方、Surface Pro 3は外部端子や搭載CPU、OSに至るまですべてPCの特徴を併せ持った端末になっています。マイクロソフトはモバイル端末向けのOSとして「Windows Phone」をリリースしていますが、Surface Pro 3には、デスクトップPC同様Windows 10 Proが搭載されています。
これは、アップルとマイクロソフトの間に開発へのアプローチの違いがあるからで、アップルはiPhoneを大画面化するという目的でiPadシリーズを、マイクロソフトはPCを持ち運べるようにしタッチ操作を可能にするという目的でSurfaceシリーズを生み出しています。面白いことにマイクロソフトには、「Surface Phone」なる端末を開発しているとの情報もあり(過去記事)、アップルとは逆の展開を見せています。
つまり、iPad ProとSurface Pro 3の間にはその誕生に決定的な違いがあり、全くもって似て非なるものなのです。
今回登場したiPad Proに関しては、Apple Pencilや専用キーボードのスタイルなどによって、発表直後からSurfaceの真似をしたとの声も多々見受けられましたが、外観こそ似たものになっているものの、その思想についてはまったく逆を行く端末といってよさそうです。