人気漫画の『DEATH NOTE』が実写ドラマ化された際、主人公など登場人物の設定が大きく変更され物議を醸しました。ネット上では「魅力を損なう」「DEATH NOTEである必要がない」などの意見が出るなど、話題になりましたね。ただ、こうした人気漫画やアニメが実写化される際に「謎の改変」が行われることは珍しくありません。今回は、そんな「謎改変」を紹介します。
■舞台の変更からまさかの性別変更も!?
●『地獄先生ぬ~べ~』
2014年にまさかの実写ドラマ化がされた『地獄先生ぬ~べ~』。原作は、「鬼の手」という妖怪を退治する手を持つ小学校教師が、学校の生徒を守るために妖怪を退治する、というストーリーでした。しかし実写化するに当たって原作からさまざまな変更がありました。まずは舞台が「小学校⇒高校」というもの。他にはライバルの玉藻がフレンドリーだったりと、「なんで?」という変更でした。原作は多感な小学生がメインだったからこそ、妖怪や怪談との親和性がありましたし、教師との信頼を育む過程もしっかり描かれています。しかし実写版では実にあっさりしたものでした。特殊効果やキャストに対する不満も多い作品でした。
●『賭博黙示録カイジ(カイジ 人生逆転ゲーム)』
人気漫画『賭博黙示録カイジ』の実写映画が2009年公開の『カイジ 人生逆転ゲーム』です。ストーリーもそこまで大きな変更はなく、また個性的な演技が光る藤原竜也さんをカイジ役に抜擢したことが大成功。この作品でも圧巻の演技を見せてくれます。ただ、キャスト発表時にファンが疑問を抱いたのが、原作でカイジを危険なギャンブルの場へ導く金融業者・遠藤について。原作ではサングラスを掛けたおっさんですが、映画ではなんと遠藤凛子という女性キャラクターになっていました。この変更点には多くのファンが不安を感じました。映画ではそこまで違和感もなかったのですが、謎改変ではありました。
●『タイガーマスク』
1960年代後半から1970年代前半にかけて、漫画とアニメがヒットした『タイガーマスク』。今でも主人公の伊達直人を名乗る人が寄付をするなど、社会に大きな影響を与えた作品です。2013年には実写映画が公開されました。実写映画化されるに当たっての、最も大きな変更点が、「主人公が、かぶるとパワーアップする特殊なトラの仮面を着けて戦う」というもの。いわゆる「変身ヒーロー」的なものになっているのです。マスクとメタルスーツを着たタイガーマスクがアクロバティックなアクションで敵を倒す……これはプロレスではないのでは? と思う仕上がりでした。
●『ガッチャマン』
ここ数年の間に公開された実写化映画の中で、特に酷評されたのが『ガッチャマン』でしょう。主人公たちに人気俳優を配して話題にはなりましたが、シナリオや演出などがひどいという意見が噴出しました。原作との変更点も数多くあり、特にガッチャマンの根幹ともいえる「鳥の設定」をなくしたことは、多くの人が「意味が分からない」と困惑。スーツも鳥でもなくメタルヒーローでもなく戦隊ヒ-ローでもない中途半端なもの。ストーリーも男女のしがらみがくどく、映画評論家に酷評されるありさまでした。
●『寄生獣』
ヒロインと幼なじみだったり、パラサイトが海の漂流物になっていたりと、ファンが首をかしげる改変が数多くあった実写映画『寄生獣』。ミギーの性格がひょうきんになっていることも特徴ですね。そんな原作との変更点の中でも「それは違うのでは」と多くのファンが感じたのが「主人公の家庭が母子家庭になっている」ということでしょう。詳しくはネタバレになってしまうのですが、この作品には「主人公の父親の存在」は欠かせません。父親がいるからこそ、主人公の行動意欲や苦悩、そして葛藤が際立つのです。他にも「有害化学物質」⇒「放射性物質」にしたことなどで、批判されたりもしましたね。もっと上手なやり方があったのではと思ってしまう作品です。
数多くある謎の改変を行った実写作品の中から、5つをピックアップして紹介しました。原作を知らない人はそこまで気にならないかもしれませんが、実写化されるようなものはやはり多くのファンがいる作品ばかり。大事なポイントだけは外さないようにしてもらいたいものですよね。
(中田ボンベ@dcp)