2~4才の子どもたちが、お母さんのお腹の中にいたときの記憶やその前の記憶のことを話し出す「胎内記憶」が、にわかに注目を集めています。
「母親は娘より息子をかわいがる」のは本当?! 実際のところを教育評論家に聞いてみた
しかし、「それって本当なの?」という疑っている方も多いと思います。そこで、胎内記憶研究の第一人者である産婦人科医・池川明医師に質問をぶつけてみました。
1.胎内記憶って本当にあるの?
池川先生いわく、最初は信じていなかったそうです。
しかし「飯田史彦先生の『生きがいの創造』 (PHP文庫)で胎内の子どもにも意識があることを知り、クリニックのスタッフにそれを薀蓄として披露したところ、逆に『そうですよ』と切り返されてしまい。そのスタッフのお孫さんが書いた胎内記憶に関する作文を読んだのが信じるに至ったきっかけ」なのだそう。
さらに、子どもを対象に研究を続けていくと、成長するとともに胎内記憶は失われていくことがわかってきたらしい。
筆者自身、胎内記憶に興味があったこともあり、娘が幼少期に聞き出そうとしたことがあったがうまくいかなかった…。
「疑いを持って聞いたり、興味本位で聞き出そうとしても、なかなかうまくいきません。例えば、粘土などの遊びに熱中しているときに何気なく聞いてみると、答えてくれることが多いみたいですね」と池川先生。
さらに研究を進めると、胎内記憶以前の記憶があることも、わかってきたといいます。
子どもは、母親を選んで生まれてくる?
2.子どもは、母親を選んで生まれてくる?
雲の上にいっぱい子どもたちがいて、自ら母親を選んで生まれてくる…。
研究を進めるうちに、子どもたちが同じ記憶を持っているのがわかってきた。これには、筆者は疑問を抱いている。
例えば、自分を虐待する親を選んで生まれてくるものなのでしょうか?
「私が取材した子どもたちは皆、自ら母親を選んで生まれてきた」というので信じているという池川先生。
ただ「一緒に雲の上にいた子どもたちの中には、『行きたくなかったのに突き落とされてきた』とか『ほかの子が嫌がるから代わりに来てあげた』というような子はいるようです。ですから100%自分で選んでいるわけでもなく、子どもたちなりの事情というものがあるようです」と付け加えた。
「たしかに子どもがいうことですし、『信じられない』『子どもの想像だろう』と考える人がいることはわかっています。しかし、取材する子どもたちが、すべて同じことをいうというのもありえないと思うのです」と、確信に至った経緯を語る。
では、実際生まれ変わり(輪廻転生)はあるのでしょうか?
人間って生まれ変わるものなの?
3.人間って生まれ変わるものなの?
池川先生は、あると信じているという。しかし、その解釈は2通りあるのだといいます。
「一つは、実際に魂が何度も転生するという考え方。もう一つは、実際には転生はなく、生まれる時にその人生に都合のいい過去の記憶を自分で選んで持って来るというものです。どちらが正しかはわかりませんし、どちらもあるかもしれません」。
輪廻転生は仏教をはじめ、東洋哲学の中で古くから脈々と信じられてきた考え方。
しかし、死んだ後のことは正直、実証しようがないのも事実です。
ですから、池川先生のおっしゃられる通り「同じ現象を見ても、各人で解釈は異なります。自分の都合がいいように解釈すればいい」のではないでしょうか?
これら、胎内記憶を話す子どもたちにインタビューしたドキュメンタリー「かみさまとのやくそく」(荻久保則男監督)は、幼い子どもを持つママたちや妊婦さんたちの支持を集め、東京・アップリンクでなんと1年半以上ロングランされているのをはじめ、有志たちの手により全国各地で自主上映会が開催されているそうです。
一度、その目で確かめてみてはいかがでしょうか?