中国メディアの新浪財経は2日、中国では今なお「抗日」を叫ぶ人びとがいることを伝える一方で、経済や環境保護、教育水準といったあらゆる面で日本を追い抜いてこそ、中国人にとって「抗日運動」の成功であると主張した。
記事は、まずマクロ経済や社会、産業構造、経済発展モデルなどから日本と中国の現状を比較し、マクロ経済について「日本は経済の仕組みや金融制度、法律体系などは完備され、成熟していると言える」と指摘し、社会保障費の拡大によって財政難ではあるものの「財政の基礎は崩れていない」と紹介した。
一方、中国は現代的な経済制度は「整備の途中」にあるとし、医療や年金などの社会保障制度もまだ始まったばかりと指摘し、「制度が社会全体をカバーできるまでは相当長い時間がかかるだろう」と論じた。
また、産業構造においても、日本はすでに先進国型の構造となっているとし、第一次産業の就業者数は全体の5%以下である一方、中国は50%前後が第一次産業に従事し、農村部の人口が全人口の45.23%を占めていると紹介。また、日本はすでに都市化が進み、都市化率も極めて高いとしながらも、「中国の都市化率は50%台に過ぎず、都市部と農村部の発展格差も極めて大きい」と指摘した。
続けて記事は、日本にはトヨタや日産、日立、東芝、パナソニックなど世界に名だたる大企業が数多く存在するうえ、技術力を武器に世界で大きなシェアを持つ中小企業も多く存在することを指摘。さらに、日本企業は付加価値の高い分野で強みを持つとする一方、中国には世界レベルの企業は極めて少ないうえ、基幹技術を持つ企業も少なく、組み立てなど付加価値の低い分野を取り組む企業が多いと論じた。
そのほか、環境保護や教育分野においても日本は圧倒的に中国をリードしていることを伝えつつ、「国内総生産(GDP)の規模においては、中国は日本を追い抜いたものの、ソフトパワーなど細部においては中国は日本に大きく遅れを取っているのが現状」と論じた。また、中国人にとっての「抗日運動」とは、日本製品の不買や尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領有権を叫ぶことだけではないとし、努力を積み重ねたうえで中国と日本との「差」を埋め、日本を超えることこそ「抗日運動」の成功であると主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)