大昔の海は今よりもっと怖かった...。
海に行くと「サメに気をつけろ」とか「クラゲに刺されないように」とか、現代の海の危険と言うとそんな感じですが、4億6000年前はそんなもんじゃなかったようです。なんと昔風のSF映画から飛び出してきたかのような5フィート(約150cm)にも及ぶ体長のサソリのようなモンスターがいたんですって。
その名はPentecopterus(巨大サソリ)。地質時代に存在したと思われるこの恐ろしいプレデター、古生物学者が最新の研究で発表したものです。巨大サソリは体長1.7メートルまで成長し、強力な頭の殻、パドルのような尾、そして離れていても獲物をバラッバラにする大きな胴体を持っていたようです。巨大サソリの正式名Pentecopterusは、ギリシャの軍艦の名前から名付けられたそうですが、納得ですね。
「この新種は非常に奇妙なんです。」と研究リーダーのJames Lamsdellさんは述べています。「泳ぐための脚であるパドルの形がとてもユニークなんです。それに頭の形も。とにかくデカイ。1.5メートル以上あるんです。」
巨大サソリは、オルドビス紀とペルム紀期に浅い海と海洋に住んでいた捕食性無脊椎動物の絶滅種で、現在でいうロブスターや蜘蛛などと同じ広翼類に分類され、4億6000年前から2億4800年前に存在していたとされています。おそらくこの巨大サソリは、科学的に認知されている最大の大きさを誇る、最古の広翼類だと言われています。
「これは広翼類がもともと考えられていたよりも約10万年も前に進化していたという証拠になります。そして今回のように広翼類が化石として発見されたのはとても稀なことですが、広翼類が進化の早い段階でかなり多様な種類であったことがわかります。」とLamsdellさんはイエールニュースに話しています。
巨大サソリはアイオワ州北東に位置する砂質頁岩、27メートルの層から出土した状態のよい150以上の化石断片から構成されています。この発見は、地面の奥底にはまだまだたくさんの動物たちが眠っているってことを再確認させてくれたんじゃないでしょうか。そして蜘蛛くらいでギャーギャー言っている私たちは幸せなのかも。
Image by James Lamsdell
source: Yale News
Maddie Stone - Gizmodo US[原文]
(リョウコ)