民主党の菅直人元首相が9月10日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。菅氏は「野党再編」について、安保法制に反対する若者グループ「SEALDs(シールズ)」の名前をあげながら、「野党間の再編を超えた新しいムーブメントと連動できるかがポイントになる」という見解を示した。
国会で審議中の安保関連法案について、菅氏は反対する立場をとっている。8月中旬には「安倍総理は立憲主義を踏み外している」などと退陣を求める提言をおこなった。この日の会見では、安保法制に反対する若者グループ「SEALDs」を「従来の労働組合や学生セクト的な動きではない」と評した。
記者から、今後起こる野党再編について見解を求められると、「現存する野党間の再編を超えた新しいムーブメントと連動できるかがポイントになる」「そういうエネルギーを、新たな政治勢力が内側に取り込めるかどうかが問題だ」と答えた。
菅氏は政治家になる前、さまざまな市民活動をおこなってきたことで知られている。会見で司会をつとめた記者から「政治家と草の根的な運動はどうすれば協力できるのか?」と質問を受けると、「私も必死で考えている」と苦笑いした。
そのうえで、「そういう運動の中から、市民運動のテーマを理解して、政策に展開できる議員をつくることができたとき、政権再編を超えた市民的な政治勢力ができる。来年から18歳から投票できるようになるが、シールズなど若者たちも含めて、若い世代の候補者を応援する活動が生まれてくるのではないかと期待している」と話していた。
(弁護士ドットコムニュース)