「入れ墨・タトゥーの方お断り」――温泉やスーパー銭湯などで見かけるこの“入場規制”を緩和しようという動きが一部にある。背景にあるのは、外国人観光客の増加と、5年後に控えた東京オリンピック。文化としてタトゥーが定着している国からの観光客が、タトゥーを理由に温泉への入場を拒否されるケースが起きており、規制を見直す声があがっている様子。一方で、「入れ墨＝ヤクザ＝怖い」というイメージも根強いことから、対応に苦慮する施設も多いようだ。
そこで、20～30代の社会人男女200人（男性100人、女性100人）に、この動きについてのアンケート調査を行った。
〈タトゥをした人の入場制限緩和についてどう思う？〉
「緩和していく方がよいと思う」派 39.5％
「緩和しない方がよいと思う」派 60.5％
少なくとも現状維持、緩和は必要ないと考える方が6割と多数派に。それぞれの意見に耳を傾けてみましょう。
●「緩和していく方がよいと思う」派の意見
「入れ墨が入っていたところで別に恐怖でも何でも感じない」（34歳・女性）
「最近はファッションの一部になっているし、外国の人たちからしたら文化でもあるので。 否定するのは海外の文化も否定することになると思いました」（31歳・女性）
「タトゥーを入れたからって何も問題はないと思うし、全員が暴力団ではないから大丈夫だと思います」（25歳・女性）
「ヤクザ以外のおしゃれタトゥーなら問題ないと思う」（39歳・女性）
「なぜタトゥーがファッションだと思えないのか、考えが古い人間がまだいるのが不思議で仕方がない」（25歳・男性）
「色んな人がいていいと思う」（22歳・女性）
「個人の自由を制限するほど他人に迷惑をかけるものではないと考えるから」（34歳・男性）
「その人が迷惑な行為をしない限りは規制する必要はないと思う。ただし、入れ墨やタトゥーを入れている人は、周囲の人達から恐怖心を持たれている可能性を考慮して行動するべきと思う」（37歳・男性）
●「緩和しない方がよいと思う」派の意見
「見た目だけでは判断できないと思いつつ、やはり怖いイメージだから規制してほしい」（30歳・女性）
「子供も行く場所なので、教育的にもモラル的にもいい影響はないと思うので、緩和する必要はないと思います」（39歳・男性）
「外国は外国、日本は日本です。日本の感覚は貫くべきです」（32歳・女性）
「日本人ではまだ反社会的勢力の人たちが多くいるのでもうしばらくは入れ墨という客観的基準で入場拒否するのも合理的だと思う」（39歳・男性）
「緩和すると暴力団員も入ってくる。これまでの規制で良い」（36歳・男性）
「特別視されたい人間が入れ墨を入れているのに特別扱いする事の何が悪いかわからない」（27歳・男性）
「入れ墨を見た周りの人は、気分を害してしまうと思うから。癒されに来ているのに、癒されないと思います」（26歳・女性）
「民族的な文化だったりファッションだったり、体全体からワンポイントまで線引きが難しい。緩和というより、男湯・女湯・有タトゥーなど分けたほうがよい」（36歳・女性）
どの意見にも一理あるものの、やはり入れ墨・タトゥーに抱くイメージが賛否に大きく影響している様子。そこで、入れ墨・タトゥーが入っている人をどの程度“怖い”と感じるか尋ねてみたところ、こんな結果に…。
〈温浴施設などで、入れ墨・タトゥーを見かけたらどう感じる？〉
「たとえワンポイント程度でも、少し怖い印象を受ける」41.5％
「ワンポイント程度までなら、さほど怖い印象は受けない」42.5％
「サイズに関係なく、特に怖い印象は受けない」16.0％
「ワンポイントまでなら」も含めると、「さほど怖くない」と感じる人が約6割と多数派に。前問で、「緩和しない方がよいと思う」と答えた人が6割に上ることを考えるとやや意外な感もあるが、これはむしろ「ワンポイントを上回るサイズなら怖い」人が8割強とみるほうが妥当なのかも。
前問では「緩和した方が良いと思う」と答えた人が、少数派とはいえ4割近くおり、
「ワンポイントを上回るサイズのタトゥ、入れ墨は怖い」人が8割強いるという形。恐怖心はありつつも、緩和していくほうがいいと考える人もいるようです。
もともと「暴力団員の締め出し」を目的とし、入れ墨を“ざっくりとした目印”にした規制ですからね。それを外国人観光客に適用すれば、彼らに良い印象は与えないことは容易に想像がつきます。さりとて「とにかく感覚的に怖い、見たくない」という気持ちもわかるし…。あなたはどう思いますか？
（のび＠びた）
※当記事は2015年09月10日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。