お笑い芸人の有吉弘行さんが9月9日放送のバラエティ「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日)で、ペットの死で会社を休む人について語り、ネット上で議論が出ている。
番組は、25歳女性会社員からの視聴者メッセージを紹介。職場に飼い猫の具合が悪いから休むという男性がいるが、「自分の子どもならともかく、ペットを理由に会社を休むのは社会的に認められるのでしょうか」と相談する内容だ。
これに対しマツコ・デラックスさんは「一見、ふざけやがってって思うけど、一人暮らしならしようがない。死にそうな猫を放置して会社に来る人よりはよくない?」と語った。
犬猫で休めるなら「『ザリガニごとき』なんて、絶対に許さない!」有吉さん自身は、父親が亡くなっても仕事に穴を開けなかったというが、一方で最近はペットが家族のようになっていると明かす。番組によると、ペットを飼った経験のある50人に聞いたところ、「ペットが死んだら仕事を休む」と回答した人は27%だった。
「休む」と答えた人からは「ペットも家族の一因」「ペットロスで何も手もつかない」といった声が挙がったという。実際に休んだ人からは、休むために会社に「風邪をひいた」と嘘をついた、という話も出ていたという。
これを受けて有吉さんは、ペットロスで仕事を休む人に対して「俺が飼っているザリガニでも同じこと言ってよ。『ザリガニごとき』なんて、絶対に許さない!」と語る。犬猫だけではなく、その他のペットについても差別すべきではない、と主張するもので、マツコさんも「そこにわけへだてはダメ」と同意していた。
このザリガニの件がライブドアのトピックニュースなどで報じられると、ネットで話題に。女性向けコミュニティサイトのガールズちゃんねるでは、有吉さんたちの考えに賛同する声が多数挙がった。
問題はペットの種類ではなく「遺体の扱い」か「お祭りの金魚すくいでとった金魚だって、愛着わくし死んだら悲しいよ。だから犬猫だけじゃなく全てのペットに、当てはまるよね」
「種別に問わず、その人にとってはかけがえのない家族では?たとえそれがザリガニでもカブトムシでもトカゲでも悲しいものは悲しい」
ザリガニではないが15年飼っていたインコが死んでしまい、泣きすぎてボロボロになりながら会社に行ったら、職場で同僚に笑われたという話も出ていた。
しかしその同僚は犬を溺愛しており、書き込みをした人は「同じペットを飼う身として気持ちわかってもらえるかと思ったのに」と落胆している。同僚は「たかがインコ」「インコごときで」と考えたのだろうか。
ただ、やはり犬猫以外だと鳥はまだ理解できるとしても、ザリガニは違うんじゃないかという声も根強い。たとえばザリガニは人間に懐かず、意思の疎通もできないという点で、死んでも犬猫ほどのショックを受けることは少ない、というのだ。
「ザリガニと犬一緒にしないでよ? 犬は、盲導犬とか人間の為に働いてくれてるし、知能も結構高いし。ザリガニって…」
ペットの遺体の扱いを巡る状況が異なる、という指摘も。犬の場合は火葬をしたりするほか、役所に死亡届を出すといった手続きも必要だが、ザリガニの場合は特に定めはない。実際にザリガニを飼育している人も「死んだら庭に埋めてお墓はつくるけど仕事は休まないだろうな」と書き込んでいた。
亡くなって悲しかったら「私用」もっとも「ペットが死んで辛い」という理由で仕事に行く気が起こらなかったとしても、有給休暇なら会社にそれを伝える必要はない。そのため、
「ザリガニだろうが犬だろうが猫だろうが爬虫類だろうが亡くなって悲しかったら『私用』っつって休みゃいーの。誰も詳しく聞かないって」
というアドバイスや、もしそれがためらわれるのだとすれば「急な欠勤が1日たりとも許されない職場環境なのが問題でしょ」という指摘も出ていた。
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