Xperia Blogは9日(現地時間)、「Xperia」シリーズの “防水機能” に対するスタンスが、密かに変更されていたことが判明したと伝えています。
「Xperia Z3」の公式プレス画像。水中での利用をアピール
先日発表されたばかりの「Xperia Z5」においては、水中で写真撮影などを行うことで各種保証が受けられなくなる可能性が高いことをXperia Blogは指摘しています。
Xperia Blogによると、Xperiaシリーズの防水機能に関する定義が変更され、「端末を完全に水没した状態で使用する」ことを避けるようにユーザーに注意を喚起する記述が公式Webサイト上の防水機能の解説ページに確認されたとのことです。
同様の記述は「Xperia Z4(Z3+)」が発売された時点でも確認されていたものの、それ以外の端末の製品ページには記述されていなかったことから、Xperia Z4(Z3+)に特有の注意勧告かと思われていましたが、今回Xperia Z5の製品ページなどにも新たに確認されたことでソニーの防水機能に対する定義が変更されたことが判明しました。
水中で使用可能なことをアピールするかつてのXperia製品の公式プレス画像
どうやら、少なくともXperia Z4(Z3+)以降の端末においては、従来の防水機能付きXperiaデバイスに特徴的だった “水中での端末利用” が製品保証外の行為となってしまう可能性が高くなってしまう模様です。また、防水機能の解説ページにもこの変更が及んでいることからも、おそらくは「Xperia Z3」以前の端末においても同様と思われます。
なお、ソニーによると、一部のXperia端末が有する「IP68」相当の防水性能は、条件の整えられた施設内において丁寧に実施された耐 “浸水” 性能試験に基づいて保証されたものであり、海や塩素入りのプールなどの淡水以外の水中などに見られる、様々な条件が不確定な環境において実際に端末を操作する場合の防水性能を保証するものではない、とのこと。
ソニーが防水機能に対する定義の変更を決定した直接の理由はまったくもって不明ですが、おそらくは水中および海中でXperia端末を利用したユーザーからの保証適用による修理依頼ないし破損したことへのクレームが大量に寄せられたことに起因しているのではないでしょうか。
いずれにせよ、非常に優れた防水性能はソニー製端末の大きな “売り” でしたが、公式に定義が変更されたことにより以前ほど強い信頼感をもって水中で使用することが出来なくなってしまったことは、消費者側の正直な意見としてもマーケティング的な観点から見てもあまり好ましいとは言えません。
とはいえ、実際にソニーの防水加工技術の質が低下したという訳ではなく、あくまで防水性能および保証に対するスタンスが変更されたに過ぎないというのが、不幸中の幸いといったところでしょうか。なお、公式Webサイトの記述によると、アフターケアをしっかりと行うことで、真水以外を浴びても特に問題はないとのことです。
[Sony via Xperia Blog]