ベストセラーの実話エッセイを、女優の広末涼子(35歳)主演で映画化した「はなちゃんのみそ汁」。その主題歌が一青窈の書き下ろしオリジナル楽曲に決まり、予告編が解禁された(https://www.youtube.com/watch?v=YJ1H7gwyzrs)。
がんでこの世を去った千恵、33歳。5歳の娘と夫、家族との日々をつづったブログを基にしたエッセイ「はなちゃんのみそ汁」は、2012年に発売されるやいなや、常にひたむきな明るさで生きる安武一家の姿が日本中で大きな話題を呼び、関連書籍やテレビドラマ化、教科書にも採用された。そんな同作を映画化した本作では、広末が結婚、妊娠、出産と人生の転機をがんと闘い、食を大切に生きてきた千恵を演じる。そして明るくひたむきに支える夫・信吾を滝藤賢一、娘のはなには、1,000人超の応募者から選ばれた演技経験ゼロの新星・赤松えみなを抜てき。監督は、2013年キネマ旬報ベストテン日本映画第1位に輝いた「ペコロスの母に会いに行く」で脚本を担当した阿久根知昭が、本作でも脚本を務め初のメガホンを握る。
また、本作の主題歌は、一青窈によるオリジナル楽曲「満点星(まんてんぼし)」に決定。生前、千恵さんが一青窈の「ハナミズキ」が好きでよく歌っていたという縁もあって一青にオファーしたところ、「はなちゃんといっぱい話していい作品にしたい」と意気込み、書き下ろしを快諾。
「満点星」は、白い花をつける満天星躑躅(ドウダンツヅジ)をイメージして制作され、その歌詞からは、本作に込められている千恵さんの家族を思う気持ち、3人で過ごした日々のぬくもり、そして家族の絆が感じられ、映画の余韻が爽やかに胸いっぱいに広がる。一青は本編にも出演し、広末演じる千恵の姉役を演じており、本編と楽曲あわせて“広末涼子×一青窈”のタッグが実現した。
この楽曲を聴いた広末は「初めて聴いた時、とても大きな優しさに包まれた気持ちがしました。聴く度に、心に沁みる体に響く楽曲です」とコメント。また、本編では「満点星」を歌って演じるシーンがあるが、「役を通じてこの曲を歌わせていただいた時には、涙が止まらなくなってしまい……困りました。この映画を物語る素晴らしい楽曲を作ってくださった一青さんに、深く心から感謝しています」と振り返った。
そして、一青は楽曲について込めた想いを、次のように語っている。
「春の季語、満点星躑躅(ドウダンツツジ)からタイトル、【満点星】を頂きました。中国語読みでドウダンですが一般的には分かりにくいと思ったので“まんてんぼし”としました。花言葉は…『素直な告白』です。母としてまっすぐにはなちゃんに愛を注いだ千恵さんとそれを一心にサポートする安武さんとその愛に応えるはなちゃんと気持ちをいつもいつも素直に伝える家族のあり方が素敵だなぁと思って、これに決めました。花期には樹全体が真っ白になることから【満点星】の字が当てられたそうです。属名のEnkianthusはギリシャ語のenkyos(妊娠する)+ anthos(花)からきています。膨らんだ花の形が、はなちゃんがいつかママと同じように美しい子供を宿すように純白のドレスの裾をイメージしてはなちゃんの未来のウエディングドレス姿と重ねて書きました。この樹は秋の紅葉も鮮やかで菱形の葉っぱです。ぽこっとつぼみから花が咲き出すのも可愛らしいはなちゃんの笑顔に重なりました」
解禁された予告編映像には、「私はツイていた」といつも前向きで明るく、娘のはなを大切に思う千恵を広末が熱演している姿。広末がはなと一緒にみそ汁を作る姿や、「うまかー!!」とおいしそうにみそ汁をのみ、明るいキャラクターの夫を嬉々として演じている滝藤の表情からは、本当の家族のようなぬくもりあふれる雰囲気が伝わってくる映像だ。
☆「はなちゃんのみそ汁」ストーリー
恋人との何不自由ない幸せを夢見ていた千恵はある日、乳がんを宣告され、見えない不安に怯える千恵に信吾は優しく寄り添いプロポーズをする。こうして2人は晴れて夫婦となった。
抗がん剤治療の影響で卵巣機能が低下、出産をあきらめていた千恵だが、ある時妊娠していることが分かる。産むか産まないか――産むということはがんの再発リスクが高まり、自らの命が危険にさらされるということだった。
周りの支えで命を懸けて産むことを決意し、はなを無事出産。しかしながら、家族3人、幸せな日々は長くは続かず、千恵を再び病魔が襲い残り少ない命を覚悟。私がいなくなってもはなが暮らしていけるようにと、千恵は鰹節を削って作るところから始めるみそ汁など料理や家事の大切さを教えはじめる。彼女たちのおいしくてあったかい、かけがえのない日々が続いていく。
映画「はなちゃんのみそ汁」は12月19日(土)よりテアトル新宿&福岡先行公開、2016年1月9日(土)より全国拡大公開。