Amazonはモバイルアプリの新しい収益モデルAmazon Undergroundを発表し、Amazonアプリストアに公開した。Amazon Undergroundは顧客に対して"実質無料"なアプリを提供する一方、開発者に対してはアプリの使用時間に基づいた報酬を支払うようになっている。
Androidユーザはomonymous appを通じ、Amazon Undergroundで1万ドル以上のアプリとアプリ内課金を無料で利用できるようになった。Amazonは開発者に対し、アプリの使用時間に応じて0.002ドル/分を対価として支払う。展開しているのはアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの市場である。
Amazon Undergroundはモバイルアプリの激戦を抜ける斬新な収益モデルであり、Kindle Unlimitedの定期購読課金に使われていたものに似ている。モバイルアプリストアは常に特異なアプリの収益モデルを提供してきた。Statistaの統計によると、収益モデル上位2つのうち1つは広告 - インタースティシャル広告、バナー、またはビデオ広告のいずれか - で、もう1つはフリーミアムモデルとして知られているアプリ内課金である。その他、主流なモデルといえば定期購読課金や、プレミアムという有料ダウンロードがある。
開発者はアプリをAmazon Undergroundに提供できるが、そのためには特定の要件に準拠する必要がある。例えば、何らかのアプリストアで有料のアプリやフリーミアムのアプリとして使えること、アプリ内課金がないこと、Underground以外で公開しているものと比べてフィーチャーが劣らないことなどである。ケースによっては例外もあるが、最終的にどのアプリがAmazon Underground入れるかはAmazonが決定することである。
TechCrunchのRoll Dillet氏によると、Amazon Undergroundは面白い戦略であり、効果的な収益モデルとなるだろうと述べている。アプリ価格の"底値競争"に歯止めを掛けるだけでなく、アプリ内課金や有料アップデート、それに伴う待ち時間にイライラすることもなくせるという理由からだ。
Amazon UndergroundのAndroidアプリは、位置情報から録音機能、SMSメッセージの送信から外部ストレージへの書き込みといった膨大なアクセス権限を要求し、ユーザの頭を悩ませている。また、Amazonが開発者に支払う対価についても懸念がある。0.002ドル/分ということは、1ドル溜めるのに500分使ってもらわなければならないのだ。