中国共産党機関紙の人民日報は12日、中国は世界第2位の経済大国となり、その一挙手一投足が世界の注目を集めるようになったと伝える一方、中国が抱える問題を「悪意をもって」誇張する人びとも存在すると主張した。
記事は、中国経済は改革開放以降、世界に与える影響が拡大し続けているとし、一部では世界に与える影響力の大きさでは米国すら凌ぐほどになったとの意見もあると主張した。続けて、中国経済は世界から認められるほどの成長を遂げたとしつつも、これまで蓄積してきた問題が顕在化していることは事実とし、今後5年は「痛みを伴う構造改革が行われ、経済成長も鈍化する」見通しであることを伝えた。
一方で、中国が人民元を切り下げたことなどについて、「中国経済の鈍化によって世界経済も衰退する」などと中国の問題を誇張し、悪意をもって中国経済を貶める主張も多く見られると批判。さらに、中国崩壊論などの存在についても批判したうえで、中国の輸出や投資、工業生産などが減速していることは「あくまでも周期的なもの」であり、中国経済は今なお安定した成長を続けていると反論した。
さらに記事は、中国商務部国際貿易経済合作研究院の梅新育研究員の話として、中国経済の潜在的な成長力は米国をはじめとする国々より大きいとし、中長期的に見ても「中国のビジネス環境や競争力はほかの新興国より優れている」と主張した。
また、中国の経済構造の転換は段階的に進められているとし、これまで経済をけん引してきた製造業や投資の影響力は徐々に減退する一方、第三次産業や消費が存在感を示し始めていると指摘。また、李克強首相の発言を引用し、「中国は世界経済のリスクの根源ではなく、むしろ成長の原動力である」と主張、一部の中国崩壊論は根も葉もない噂であり、根拠のない主張であると反論した。(編集担当:村山健二)(写真はイメージ:提供は「CNSPHOTO」)