朝の仕事は頭にモヤがかかっているようで仕事が捗らない――。そんな悩みの原因は、ひょっとしたら午前10時前から仕事を始めているからかもしれない。ブログメディア「カラパイア」が9月14日、「National Post」のこんな記事を翻訳して紹介している。
1日6時間未満の睡眠も「遺伝子機能に変化」と指摘「午前10時前の就業を強制することは拷問に等しく、従業員の体調不良や疲労、あるいはストレスの原因になる」
これはオックスフォード大学の研究者であるポール・ケリー博士の研究を紹介したもの。それによると、9時~17時という一般的な就業時間は従業員のパフォーマンスを落とし、健康を害する原因になるので55歳以下の人には適していないのだという。
「従業員の就業時間は10時にすべきでしょう。9時から働き始めるのは55歳になってからです」
ケリー博士は、睡眠不足が健康に重大な問題を引き起こすことにも言及している。記事ではあわせて1日6時間未満の睡眠が1週間続いた場合、711個の遺伝子機能に変化が生じるとの研究結果も紹介している。
この記事が掲載されると、ネットでは働く人から「やっぱり」という声があがった。これまで早起きして仕事をしていたが、能率が上がっていないと感じている人も多く、もっと勤務時間を遅らせるべきだというのだ。
「今世紀最大級の重要な発見。官民挙げて対応を急げ」
「確かに『エンジンかかってきた』と感じるのはだいたい10時頃のような気がする」
「今まで働いた職場だと10時→18時が一番やりやすかったな」
以前より出勤時間を遅らせたという人は、パフォーマンスの向上は「圧倒的体感としてよくわかる」という。10時出社だと満員電車のピークから外れることもあり、疲労の度合いが低くなるという効果もあるようだ。
若新氏の「フリーAM」という働き方に通じる?その一方で、朝10時出社にするのが難しい職場で働く人からは諦めの声があがっていた。「お客さんが50歳以上だから……」と嘆く人もいる。取引先に年長者が多いのだろうか。それか、早朝から高齢者の列ができることの多いスーパーや病院で勤務しているということもありえそうだ。
「これが事実だとしても、『アホで我侭で傲慢なお客』がたくさん居る限り、企業の就業時間はそいつらに合わせるしかないのだ」
始業が10時前の会社がほとんどであることから、10時前にパフォーマンスが上がらないのは「人間の場合であって社畜には関係ないでしょ」と吐き捨てる人も。出社時間を遅らせれば、その分夜遅くまで働かざるを得なくなるので、あわせて「午後5時以降の就業」や「1日8時間労働」も拷問に等しいという研究結果が欠かせないという声もあった。
なお、早朝の仕事は人間の生理に合っていないとして、朝10時どころか「午前中の仕事を禁止した方がいい」と提唱している人もいる。慶應義塾大学特任助教の若新雄純氏は「夕方からテンションが上がってくる時間を大事にした方がいい」として、午前中は働かない「フリーAM」という働き方を提唱している。
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