参院平和安全法制特別委員会は16日夕、安全保障関連法案の締めくくり質疑を行う。18日までの法案成立を目指す与党は、質疑終了後にも採決に踏み切る構え。これに対し、職権での特別委開催に反発する民主党などは全面対決の姿勢で、与野党の攻防はヤマ場を迎えた。
特別委は16日午後1時から2時間半、横浜市で地方公聴会を開催。各委員が国会に戻るのを待ち、同6時から安倍晋三首相も出席して、2時間の締めくくり質疑を行う予定だ。与党は野党の出方をにらみつつ、質疑後の16日夜か17日に特別委で採決、同日中に参院本会議で採決、成立させる日程を描く。
自民、公明両党の幹事長は16日午前、東京都内のホテルで会談し、法案の週内成立方針を確認した。これに対し、民主、維新、共産各党は午前、国会内で締めくくり質疑への対応を個別に協議。維新は質疑に応じる方向だ。共産党も出席する。民主党の岡田克也代表はこの後の党の会合で「締めくくり質疑などとんでもない。力を合わせ阻止しよう」と呼び掛けた。
一方、首相と公明党の山口那津男代表は同日午前、元気、次世代、改革3党の党首と国会内で会談し、自衛隊を海外派遣する際の国会関与の強化で正式合意。3党は安保法案に賛成する。首相はこの後、首相官邸で記者団に「これで自衛隊がスムーズに活動できるようになる。民主的な統制が取れることは重要だ」と合意を歓迎。元気の松田公太代表は「少数政党がこのような役割を果たせたことには大きな意味がある」と語った。