「これが大人のすることか」。安全保障関連法案を審議する17日午前の参院平和安全法制特別委員会。鴻池祥肇委員長を取り囲む野党議員に「席に着け」と声を荒らげる与党議員。つかみ合いになりかける場面もあり、採決を控え大詰めを迎えた法案審議は緊迫の度合いを深めた。

 この日朝、鴻池委員長が向かった先は第1委員会室。審議の進め方を話し合う理事会をまず開くことで合意していたと主張する野党議員らは「だまし討ちだ」「理事会室に戻れ」と猛烈に反発した。

 安倍晋三首相ら閣僚が着席した後も、野党議員は委員長席を取り囲んで動かない。委員席の後方で見守る与党議員からは「委員長の指示に従え」との声も飛んだ。

 その後、鴻池委員長が職権で特別委の開会を宣言すると、野党側は不信任動議を提出。自民党の佐藤正久議員が代わりに委員長席に座って審議を進めようとすると、気色ばむ野党議員が詰め寄り、一触即発の状態となった。

 「もう廃案しかない」「委員長への暴力反対」。怒号が飛び交う中、複数議員から「こんなことで『良識の府』と言えるのか」とやじが飛んだ。