YCが多様なバックグランドを持つファウンダー向けのオフィス訪問プログラムを開催する | TechCrunch Japan

Y Combinatorは「Open Office Hours(オフィス訪問)」と呼ぶ新しいプログラムを開始する。少数コミュニティー出身のファウンダーが直接、YCのパートナーと対面、あるいはSkypeで(ファウンダーのいる場所による)話をすることができるものだ。

YCのこの取り組みはMichael Seibel、Amazonに9億7000万ドルでTwitchを売却したファウンダー、そして Autodeskに6000万ドルでSocialcamを売却 したファウンダーが主導で行っている。オフィス訪問のアイディアはSeibelが、モロッコや東南アジアなど、世界各地を旅していた時に思いついたものだという。

「アメリカで何が起きているかを理解するのに、アメリカから離れなければならなかったのは妙なことです」とSeibelは私に話した。「テクノロジーに高い関心が集まっているのですが、人が成功するのに必要なエコシステムがまだ整っていません。才能ある人材や勢いが欠けているのではありません」。

彼はアメリカに戻り、もっと多くの人がYCにアクセスしやすいようにしたいと考えた。

「少数民族のグループ出身のファウンダーは、YCに彼らの居場所はなく、エリートのみが入れるものだと思っているという話を聞き、とても残念に思いました」とSeibelは言う。

現在、オフィス訪問はアフリカ系とヒスパニック系のスタートアップファウンダーに限定しているが、近い将来、女性、兵役経験者、アメリカ国外に住むファウンダー向けにも開催する予定だ。

YCは多様なファウンダーを多く持つグループとしては特に認識されていない。YCの2015年冬季クラスでは、アフリカ系ファウンダーの企業は7%、ヒスパニック系ファウンダーの企業が5.26%、女性のファウンダーの企業は21%だった。しかしYCはここ数年、 Female Founders ConferenceYC Fellowship、そして今回のOpen Office Hoursなど、多様なバックグランドを持つファウンダーを取り込む努力を続けてきた。

Seibelは、多くの人にカンファレンスや他のイベントの主催を薦められたそうだが、彼はそのようなアプローチは取りたくなかったと説明する。

「個人に響くようなことがしたかったのです」とSeibelは言う。「外から中を覗いている人たちにとって、たった30分の電話だけでも意義のあることだと私は思います。メールアドレスを公開し、多くの人から連絡が来るようになりました。今ではYCに在籍している人と同じくらい、YCの外の人とも話しています」。

起業したばかりで、最小限の有効なプロダクトの開発に着手していて、テクノロジーに長けた共同ファウンダーのいるチームに会うのが理想的だという。

「それは、理想的なチームです」とSeibelは言うが、「それと同時に、起業しようか考えている人やどのようにテクノロジーに長けた共同ファウンダーを見つけようか考えている人とも話をしたいと思います」と続けた。

ほとんどのYCのパートナーがOpen Office Hoursに参加するとSeibelは言う。Open Office Hoursに参加しても、そのスタートアップのYCへの参加が有利になる保証は無いが、YCのパートナーとのつながりがあることは、不利にはならないだろう。

最初のオフィス訪問は9月24と25日に開催し、スタートアップ50社を招待する。登録は今日から始まる

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter