米国防長官、南シナ海問題で中国批判=習主席訪問前にけん制か

 【ワシントン時事】カーター米国防長官は16日、ワシントン近郊で講演し、南シナ海で岩礁の埋め立てや滑走路建設などを進める中国を「国際的な規則と規範から逸脱している」と改めて批判した。また、活動を即時、永続的に停止するよう中国を含む関係国に求めた。

 長官は、米軍は航行の自由の原則に基づく権利の行使をためらわないと重ねて表明。暗礁上に滑走路を建設しても主権は認められないと強調した。中国が「領海」「領空」と主張する人工島から12カイリ(約22キロ)以内に米軍の艦船・航空機を送り込む対抗策も、依然、選択肢として検討中であることを示唆した形だ。

 来週に習近平国家主席の訪問を控え、米国では中国に厳しい姿勢を示すよう求める声が強まっている。上院は17日、公聴会を開き、国防当局者に南シナ海問題への対応をただす意向だ。