東京ゲームショウ2015に出展したアイ・オー・データ機器が,未発表のディスプレイ製品を展示していた。大きく分けると,「ギガクリア・エンジンII」を採用するゲーマー向けディスプレイ「GIGA CRYSTA」の2機種と,とくにゲーマー向けというわけではないが,4K解像度に対応したディスプレイ2機種となる。
■ギガクリア・エンジンII周辺の改良で0.05フレームの超低遅延を実現
まず,ギガクリア・エンジンII搭載機の新機種だが,具体的な製品名は「LCD-RDT242XPB」と「LCD-RDT272XPB」である。
型番からだいたい想像が付くと思うが,パネルサイズは前者が24インチ,後者が27インチ。搭載される機能はほぼ同じで,解像度が1920×1080ドットというのも共通だ。基本仕様は一世代前のモデルである「LCD-RDT241XPB」「LCD-RDT271XPB」とそれほど変わっていないので,製品概要を知りたい場合は,従来製品の特徴をまとめた記事をチェックしてもらうのもいいだろう。
さて,ギガクリア・エンジンIIというのは,三菱電機が開発した,俗にいう超解像エンジンである。高度な画像処理を施しつつ表示遅延を0.1フレームに抑えるという高性能で,ゲーマーからの支持が厚かった。三菱電機がディスプレイ事業から撤退した後は,アイ・オー・データ機器が技術供与を受けたという経緯があるのだが,今回展示された2製品では,より低遅延が実現されているというのがポイントだ。
話を聞いてみると,ギガクリア・エンジンII自体は(三菱電機側での開発が終わっているので当たり前ながら)従来から変わっていないものの,アイ・オー・データ機器の開発した周辺チップを新たに採用することで,さらなる高速化を実現できたとのこと。結果,ギガクリア・エンジンII有効時の表示遅延は0.05フレームまで抑え込めているという。
機能面では,ゲームの暗いシーンを明るめに表示して視認性を上げるという「ナイトクリアモード」の搭載がトピックだ。全体に白っぽくなるので色再現の忠実度は下がるが,ゲームの種類によっては重宝することになると思われる。
■4Kディスプレイ2製品は超解像技術に対応
4Kディスプレイの新製品は,28インチの「LCD-M4K282XB」と40インチの「LCD-M4K401XVB」だ。どちらも,東京ゲームショウ2014に出展された「LCD-M4K281XB」の後継的な扱いの製品で,ビデオ入力インタフェースは,DisplayPort×1,HDMI×3(※うち1系統は4K@120Hz対応,別の1系統はMHL対応),アナログRGB(D-Sub 15ピン)に刷新されている。メイン画面と子画面をそれぞれの入力に割り当てるピクチャーインピクチャー機能は利用可能な一方,従来製品にあった「1920×1080ドットの画面を4つ同時に表示する機能」は省かれているようだ。
機能面では,超解像技術の採用によって,「2K映像を4K表示できる」とされているのがポイント。とくに低遅延というわけではないため,ゲームで使える機能とはいえないものの,映像コンテンツに対しては有効だろう。
今回展示された4製品はいずれも10月中には発売となる予定だそうだ。価格は未定ながら,GIGA CRYSTAシリーズの24インチモデルが4万5000円前後,27インチモデルが6万円前後,4Kディスプレイの28インチモデルが7万5000円前後,40インチモデルが10万円を切るくらいになるのではないか,とのことだった。
ビジネスデイのみの展示となるため,一般公開日に読者が確認することはできない。その点は注意してほしいが,そう遠くない将来に店頭で確認できるようになるはずなので,気になる人は製品名を覚えておくといいだろう。
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