米アップルと韓国サムスンが長期に渡って係争してきた訴訟問題ですが、ここにきてアップルの主張が認められる判決が出されました。
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これまで、アップルがサムスンを相手取り行ってきた特許侵害を訴える訴訟は、周知の通り長期間に渡り係争されてきました。
2014年5月の陪審では、サムスンがアップルの保有する「スライドアンロック(slide-to-unlock)」「自動校正機能(autocorrect)」「自動リンク機能(data detection)」の3つの特許を侵害していることが認められ、サムスンに約1億2000万ドル(約144億円)の賠償金の支払いが命じられています。
一連の特許訴訟はこれで集結したかのように見えましたが、アップルが求めていたサムスン製品の販売差止については、「特許侵害をしているサムスン製品によって、アップル製品の売上が妨げられていることが証明できていない」として認められておらず、アップルは販売の差止を求め続けていました。
ところが、今回出された連邦巡回区控訴裁判所の判決では、「特許を侵害するサムスン製品によりアップル製品の売上は妨げられており、アップルが証明する義務はない」と、これまでの陪審判決を否定する内容となっており、地裁に審理を差し戻し、再びアップルがサムスン製品の販売差止を請求する権利を支持しています。
長期に渡って係争が繰り広げられてきたアップルとサムスンの特許訴訟ですが、これで再びサムスン製品の販売差止を求める審理が再開されることになります。しかしながら、対象になるサムスン製品は2012年に発売された「Galaxy S3」までのモデルとされており、アップルの勝訴ながら実際のところはサムスンの粘り勝ちと言えるのかもしれません。