秋といえばおいしいフルーツや食材が堪能できるうれしい季節。それらを使ったスイーツ類も充実し、店頭やレストランにはこの季節しか楽しめない限定の味が並ぶ。梨や柿、ブドウ、栗など、スイーツに使われる食材はたくさんあるけれど、近年のトレンドは“イモ系スイーツ”。シンプルな焼きイモも昨秋から今年春先にブームとなったほどで、この秋も、続々とイモ系スイーツが登場している。
ここ数年のイモ系スイーツ人気を押し上げているのが、鹿児島県・種子島特産の安納イモで、サツマイモの2倍と言われる糖度の高さとクリームのようなネットリとした食感が特長。その甘さと口当たりにより注目度が高まるその裏で、味にばらつきが出ないよう生産者たちで団体を作って品質維持・管理や生産・出荷体制を整えるなどしてブランド化に成功させた。今では大手メーカーやレストランも取り扱うほどのメジャーな品種へと大成長。ここ数年は、秋のイモ系スイーツに必ず登場するほどに。
今年もファミリーマートが『安納芋のモンブラン』を発売したり、ローソンが9月22日から中華まん『安納芋まん』を展開するなど、コンビニエンスストアが続々と展開。『カントリーマアム 焼き安納芋』(不二家)、安納イモのペーストを加えた『キャラメルコーン・スイートポテト味』(東ハト)などの菓子類も揃い始めている。
イモ系スイーツの中で安納イモが注目を集めるその一方で、長年親しまれている紫イモも存在感を発揮している。今年はブランド初のフレーバーとなる『ホルン 紫いも』(明治)や、『チップスターS 紫いも』(ヤマザキ・ナビスコ)が発売されているほか、マクドナルドも『マックシェイク 紫いも』を復活期間限定販売。デニーズも紫イモのフェアを開催し、紫イモペーストとホイップクリームをしっとりと焼き上げたパンケーキ生地で包んだ『紫芋のどらパンオムレット』や、今年のトレンド“ポップオーバー”と組み合わせた『紫芋のポップオーバー』、かぼちゃやみたらしソースを組み合わせた『紫芋とかぼちゃのザ・サンデー』などを期間限定販売している。
鮮やかな色合いで目を楽しませてくれるほか、抗酸化作用が期待されているポリフェノールの一種・アントシアニンが含まれている紫イモは、スーパーフードに興味がある女性たちからも一目置かれている品種なんだとか。もともとイモ類は食物繊維豊富な美容フードのひとつ。この秋はイモ系スイーツで、心もカラダも満たされてみて。