DMM.comは2015年9月18日,千葉県の幕張メッセで行われている東京ゲームショウ2015の同社ブースにおいて,「ビジネスユーザー向けDMMオンラインゲームサービスの現状,国内外のアライアンス実績や事例の紹介」と題したカンファレンスを行った。ユーザーの男女比や年齢層,海外に向けての展開など,興味深い内容が語られたので,その模様をお伝えしよう。
DMM.comオンラインゲーム事業部 アライアンス部 部長の林 研一氏が登壇。同社のゲーム事業について解説した。
カンファレンスはDMMのオンラインゲームサービスの登録者数の話題からスタート。2014年8月に720万人だった登録者数は,2015年8月には1320万人になっているという。1年ほどで約2倍弱に増えた計算だ。
ユーザーの男女比は78%対22%で,男性が8割ほどを占めている。とはいえ,昨年9月に行われたTGS 2014で発表されたデータでは82%対18%だったので,女性ユーザーの比率はこの1年で増えている。
オンラインゲームサービスのボリュームゾーンは20代で,中でも20〜24歳のユーザーが多い。こちらは昨年と同様の結果だ。DMM.com全体で見ると30代半ばがコアユーザーとなるようで,オンラインゲームサービスはほかの部門よりも若い層であることが分かる。また,20〜24歳のユーザーはほかの年齢層と比べて女性ユーザーが多いことが特徴的だ。
オンラインゲームサービスでは,WebMoneyやモバイルSuicaなどさまざまな決済手段に対応しているが,ユーザーの68%がクレジットカードを利用している。これはDMM.comのサービスに見られる特徴的な傾向だという。
また,DMM.comは現在,国内で「PC」「スマートフォンブラウザ」「Android」「iOS」に向けてオンラインゲームを配信している。そのため,ブラウザゲームが得意なメーカーであればPC,スマートフォン用アプリならAndroidなど,パートナー企業の事情に応じた配信先を選択できるわけだが,“同一タイトルをPCとスマートフォンの両方に配信することによって,収益性の拡大が狙える”という戦略が採れるのもDMM.comの特徴だという。
同社が提供するAndroid用アプリ「DMMゲームストア」のダウンロード数は,すでに62万を数え,2015年7月には1万8000回の新規ダウンロードがあったという。今後は対応タイトルを増やして,出先ではスマートフォンで気軽に,自宅ではPCでゆっくり遊ぶといったように,ユーザーには利便性のアップ,そしてメーカーには同一タイトルのマルチ展開による収益の拡大と,受け手と送り手双方のメリットを充実させていく方針だ。
今後は,DMM.comで配信中のゲームの海外展開も行っていくという。英語圏の「nutaku」,中国圏の「SAMURAI GAMES」と提携,現地に合わせたローカライズを行ったうえで配信していくとのこと。
nutaku展開の第1弾は「かんぱに☆ガールズ」で,林氏は「このゲームが英語圏でどういう展開をしていくのか,私どもも非常に楽しみにしています」と期待を寄せた。
また,海外ゲームの買い付けや輸入,国内パブリッシング権の獲得にも注力し,英語圏や,欧州,中華圏から良質なゲームを発掘していくという。
その一例として氏が挙げたのが,先日DMM.comにより国内サービスが発表されたばかりの「The Elder Scrolls Online」。同作では500万ワードの英語テキストがローカライズされる予定で,DMM.comにとっての大きな試金石となりそうだ。
実際にDMM.comとゲームメーカーが組むに当たっては,「協業」「出資(セカンドパーティ)」「ソース/IP提供」「ゲーム提供(サードパーティ)」といったやり方があるという。
協業は複数社で資金を出し合ってのゲーム作り。出資はDMM.comがゲームメーカーに資金を出してゲーム開発と運営を任せるという形態。ソース/IP提供は,DMM.comがゲームエンジン(ソース)や原作版権(IP)を借りてゲームを開発,得られた利益からロイヤリティを支払うモデル。ゲーム提供は読んで字の如く,ゲームメーカーが開発したゲームをDMM.comのプラットフォームで展開するというものだ。
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