米ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』主役は悪役!? (1)ペンギン | ニコニコニュース

『GOTHAM/ゴッサム』に登場する“ペンギン”ことオズワルド・コブルポット(C)2015 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
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 アメコミ・DCコミックスのスーパースター、“バットマン”ことブルース・ウェインの信頼できる協力者で、のちにゴッサム市警の本部長となるジェームズ・ゴードンを主人公に、彼の若き刑事時代を描いた米ドラマシリーズ『GOTHAM/ゴッサム』。

ペンギン役のロビン・ロード・テイラー撮り下ろし写真

 7月よりレンタルが始まり、今月9日にBlu-ray/DVDコンプリート・ボックスが発売。映像特典で製作総指揮ブルーノ・ヘラーが「過去のバットマンを見てもらう」と言っている通り、はやりの人気作品の過去を描くビギンズもの(前日譚)と位置づけられるポテンシャルの高い作品ではあるが、とりわけ注目されているのが悪役の存在。彼らがいかにして街を脅かすヴィラン(悪役)となっていったのか、サイドストーリーも充実している。

 序盤からのキーマン、“ペンギン”ことオズワルド・コブルポット。原作コミックスでは、黒いシルクハットにタキシード、片眼鏡をかけ、葉巻をくわえ、特製の仕込み傘を持っているといういでたちで、ゴッサム・シティの支配をもくろむ怪人として描かれていた。1960年代に実写ドラマ化されたテレビシリーズでは、原作の容姿をそのまま再現。映画『ロッキー』シリーズの名トレーナー、ミッキー・ゴールドミル役で知られるバージェス・メレディスが演じていた。

 92年の映画『バットマン リターンズ』(ティム・バートン監督)では、両親によって下水に捨てられ、動物園のペンギンに育てられたため、生い立ちコンプレックスの塊として描かれていた。そのため、ゴッサム・シティ市民の長男だけを誘拐するという犯罪計画を企てている。この映画でペンギン役は、小悪党を演じさせたら右に出る者はいないと定評があるダニー・デヴィートが演じていた。

 『GOTHAM/ゴッサム』におけるペンギンは、すでに青年。ドラマのオリジナルキャラクターである女ギャング、フィッシュ・ムーニーを密告し、マフィアから命を狙われる立場となる。臆病ながらもチェスの達人のような頭脳を持ち、ずる賢さとキレると怖い残虐性を見せていく。経済に通じた知能犯という原作の設定が生かされており、この先、マフィアの下っ端を脱して、どうやって犯罪アーティストになっていくのか興味は尽きない。

 演じているのは、ロビン・ロード・テイラー。『ウォーキング・デッド』『グッド・ワイフ』『パーソン・オブ・インタレスト』など数多くの人気シリーズに出演しているが、今作で初めてメインキャストに名を連ねる大役をつかんだ。

 プロモーションで初来日した際、ロビンは「俳優としてようやく認めてもらえた」と素直に喜びを語っていた。「この先どうなるかわからないし、仕事を続けていけるのかどうかも不確かな中で俳優をやってきましたが、この1年くらいで状況は変わりました。私の場合は、『GOTHAM/ゴッサム』のおかげで向こう2年くらいのめどは立っています。毎日行くところがあって、仕事をさせてもらえる、それはとても気持ちのいいこと。日々、奮闘しています」とうれしそうに話していたのが印象的。

 「バットマンの世界観と登場人物が好きならこのシリーズを楽しんでもらえると思う。キャラクターの意外な一面を発見できると思うし、いままでのバットマンシリーズともひと味ちがう新鮮なシリーズになっていると思うので、ぜひ日本の皆さんにも楽しんでいただきたいですね」とメッセージを寄せていた。

 Blu-ray/DVD『GOTHAM/ゴッサム<ファースト・シーズン>』コンプリート・ボックスが発売中。約150分の映像特典には、製作陣がビハインド・ストーリーを語る「新たなゴッサムの創造」、ゴッサムの街を構成する「人物紹介」、ファースト・シーズンの中核となるキャラクター、ペンギンを掘り下げた「ペンギンのゲーム」、ファンとの交流を垣間見ることができる「コミコン2014:DC コミック・ナイト」、シリーズ本編ではなかなか見られないブルース・ウェイン少年が爆笑する「NG&オフショット集」などが収録されている。