東京ゲームショウ2015(以下,TGS 2015)のプレイステーションブースでは,仮想現実(以下,VR)対応ヘッドマウントディスプレイ「PlayStation VR」のコーナーで,以下に挙げた10種のデモを体験できる。
・JOYSOUND VR
このうちのいくつかは,2015年7月に行われた体験会でその内容をレポートしているほか(関連記事),「真・三國無双7 VR DEMO」と「RIGS: Machine Combat League」については,TGS 2015での体験レポートを掲載済みである。
ちなみに,一般公開日に大きな人気を集めるであろう「サマーレッスン」は,掲載済みのレポート記事を見てほしいが(関連記事1,関連記事2),ひとつ補足しておくと,TGS 2015会場では,2014年に公開された「女子高生バージョン」と,E3 2015で公開された「金髪の女の子バージョン」から,好きなほうを選んでプレイできる。
話がそれたが,「サイバーダンガンロンパVR 学級裁判」「ファイナルファンタジーXIV: VRタイタン討伐戦」「体感合体『アクエリオン・EVOL』」「JOYSOUND VR」の4タイトルを紹介していこう。
■目の前でドタバタと“学級裁判”が繰り広げられる
サイバーダンガンロンパVR 学級裁判は,スパイク・チュンソフトから2010年11月25日に発売されたPlayStation Portable用ソフト「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」の名シーンを,VRで再現するというデモだ。今回のデモでは,大神さくらを殺した犯人を暴くために,学級裁判が行われるというシーンが選択されていた。
ダンガンロンパシリーズといえば,あの「モノクマ」を思い浮かべる人は多いと思うが,裁判が始まる前に喋ったり踊ったりと,今回のデモでもその存在感を存分にアピールしている。VRならではの実在感によって,携帯ゲーム機で見るのとは比べ物にならないぐらい小憎らしい。
ちなみに,マジメに推理しても,モノクマが「体験版だからここまで!」と勝手に終了させてしまううえに,強制的にプレイヤーがオシオキされるという,ヒドい展開が待っている。VRで行われるオシオキは,ものすごくイヤな体験なので,ぜひ会場で身をもって体験してほしい。
■タイタンを見上げて戦う迫力の
ファイナルファンタジーXIV: VRタイタン討伐戦は,その名のとおり,「ファイナルファンタジーXIV」の蛮神タイタン討伐戦をPlayStation VRで行うというものだ。4人パーティによる体験となるが,イベント用に調整されているため,使えるアクションは2種類というシンプル仕様になっているほか,タイタン自体も弱めに設定してあるので,「クリアできないかも……」と心配する必要はないだろう。
今回,筆者は,白魔道士と黒魔道士でプレイしたが,白魔道士は通常の液晶ディスプレイを見ながら,黒魔道士はPlayStation VRでプレイする形となっていた。ほかのパーティメンバーは,ナイトと竜騎士をプレイしていたようだ。
デモの見どころは,タイタンのスケール感だろう。PlayStation VRでプレイすると,見上げるほど巨大なタイタンと戦う――本当に頭を上に向けないと上半身が見えないほど――というシチュエーションになるので,見慣れたディスプレイでの表示よりも,はるかに迫力がある。
筆者は黒魔道士だったので,タイタンから多少距離をとって見ていたのだが,パーティの竜騎士がタイタンと対峙しているときは,あまりのサイズ差にハラハラさせられた。
今回の出展はあくまでデモであり,ファイナルファンタジーXIVがPlayStation VRに対応することが発表されているわけではないものの,タイタンのような巨大な相手はVRと相性がよさそうなだけに,もっといろいろなバトルを体験してみたくなる内容だった。
■とにかく合体シーンがカッコイイ
「体感合体『アクエリオン・EVOL』」(以下,体感合体)はゲームではなく,VRの映像を楽しむ「VRアニメ」とでもいったデモだ。プレイヤーが両手に持ったPlayStation Moveを動かすシーンは一部あるが,非常にシンプルなものだった。
リンク:[CEDEC 2015]アニメの世界をVRで再現するには。SCEJAとサテライトが提唱する新しいVRコンテンツの作り方
デモの話に戻ろう。今回の内容は,プレイヤーが新入りパイロットとしてベクターマシン(※人型ロボットのアクエリオンに合体する,3機の飛行機)に乗り込み,他の2機に乗るミコノ,ゼシカと合体訓練を行うというもの。ベクターマシンは,発進後しばらく空を飛ぶので,頭を動かして同じように飛行するミコノとゼシカのベクターマシンを眺めていると,合体シーンに入るという進行だ。
「VR HMDをつけて頭を動かす」という動作は,「コックピットから周りを見回す」というゲーム内での状況とイメージを合わせやすく,飛行シーンだけでもなかなか楽しめるのだが,予想以上に良かったのが合体シーンだ。
合体後は,市街地を歩いた後に,プレイヤーが拳を突き出して無限拳を発動させ,訓練終了となる。体験前は,「合体シーンを見るだけでは,あまりVRの意味がないのでは?」などと思っていたのだが,自分の機体が合体シーケンスに組み込まれ,間近で見られるというのは,確かにVRでないとできない体験だ。
■周囲360度の風景が歌に合わせて変わる
JOYSOUND VRは,名前から分かるとおり,PlayStation VR用のカラオケデモだ。今回選べたのは「千本桜」と「ガンガン☆ダンス」の2曲。VRを活用しているのは,曲を選択したあとの風景で,たとえば千本桜の場合,360度見渡せる桜の咲く公園が舞台となる。
ガンガン☆ダンスのほうは,アイドルグループ「OS☆U」の歌うステージが舞台となるのだが,歌が始まる前にOS☆Uメンバーがプレイヤーを囲んで話しかけるシーン――もちろん,360度見回せる――があるなど,ただカラオケを楽しむだけでない演出が用意されているといった具合だ。
ただ,曲が始まると,肝心の歌詞が1か所にしか表示されないので,横や後ろを向いているとまったく見えない。また,表示位置が下すぎるので,たとえば,OS☆Uが歌っているのを見ようと顔を上げると,歌詞がまったく目に入らなかったりする。
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