中国メディア・現代快報は15日、江蘇省常州市の20代女性が羊肉串焼き(シシカバブ)を食していたところ歯茎の出血が止まらなくなった。全身に紫斑が出るなどの「中毒」症状を起こしたことを紹介したうえで、羊肉串の安全性や健康上の問題点について紹介する記事を掲載した。
記事は、この女性は羊肉串が好物で、2-3日に1度は勤務先に近い店で羊肉串を食べていたとする一方、5年前に「ケガをすると傷口の血が止まりにくく、歯を磨くと歯茎から大量の出血がある」ことに気づき、最近では出血がさらにひどいうえ、小便にも血が混ざるようになった。病院で検査を受けた際には全身に紫斑が出ているのも確認された。重度の貧血と凝結機能障害と診断されるとともに、医師が「羊肉串が引き起こしたものかもしれない」との見解を示したことを伝えた。
また、医師が「一部の屋台ではコストをおさえるためにネズミの肉を使っている。その多くは凝血抑制剤で毒殺されたもので、その肉にも大量の薬品成分が残っている」と説明した。女性が食べていた羊肉串もこの類のものであり、長期間にわたって摂取したことで徐々に凝血機能障害が出てきた疑いがあると指摘したという。
さらに、現地の羊肉の卸売価格と小売価格、串焼き用の炭や場所代、光熱費、人件費といったコストから勘案して、羊肉串で儲けを出すには最低でも1本2.5元(約47円)で売らなければならないとし、「もし2.5元より安い店があったら、羊の肉を使っていない可能性が高いから食べないほうがいい」とする羊肉串業者の話を示した。この業者によると、ネコやネズミの肉に下味をつけるさいに色素や羊肉の香りを添加し、焼くときにも香辛料を多めに振りかければ「一般人では判別できなくなる」とのことだ。
記事はこのほか、羊肉の脂は飽和脂肪酸が多く含まれる動物性脂肪であり、多く摂取すれば血管に悪影響を及ぼすほか、肥満になりやすいという注意点にも言及した。
イスラム文化を想起させるエスニックな香辛料の風味と羊肉の香りに、多くの人が一度食べたら病みつきになる羊肉串。今や中国を代表するB級グルメが、いまだに食品安全問題の「好例」として取り沙汰される状況は、実に残念な話である。(編集担当:今関忠馬)(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)