中国メディアの金華日報は１５日、浙江省金華市でこのほど体についたノミを退治しようと、自分自身の体を農薬で洗った男性が意識不明になって救急搬送されたと伝え、「ノミを退治したくても体に殺虫剤を塗ってはいけません」と市民に向けて注意を促した。
報道によれば、男性は救急搬送された時には意識を失っており、体からは強い農薬の臭いがしていた。血液検査の結果、男性は重度の中毒症状を起こしており、生命の危険もあった。医師の懸命な救護措置により、男性の症状が回復し始めたのは搬送の翌日だったという。
救急搬送される数日前のことだ。男性は体中に痒みを覚え、掻きむしってみたが痒みは収まらなかった。不思議に思った男性はその後、頭にノミの卵があることを知った。徹底的に退治しなければならないと考えた男性は、殺虫剤「ジクロルボス」で体を洗うことを思いついた。
ジクロルボスの殺虫成分により、ノミは退治されたはずだった。だが、体を洗ってから１時間もしないうちに男性の体に異変が起きた。呼吸が荒くなり、嘔吐を繰り返し、さらには意識までもうろうとしてきた。男性の家族はその様子に危険と判断し、病院へと救急搬送したという。
記事は、ジクロルボスは有機リン化合物の殺虫剤であり、比較的強い毒性を持つと指摘し、男性の治療にあたった医師の話として「殺虫剤や農薬は経口摂取だけが危険なわけではない」と伝え、皮膚からも毛細血管を通じて吸収されれば中毒を起こすと指摘。ノミが体にいたとしても「体に殺虫剤を塗ってはいけません」とし、誤った使い方をすれば生命の危険もあると注意を呼びかけた。（編集担当：村山健二）（イメージ写真提供：１２３ＲＦ）