埼玉女子の胸が日本一小さいのは...「通勤電車で男と戦い続けた」結果!? | ニコニコニュース

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地方から見た埼玉は決してイメージの良い県ではない。というか、印象が薄い。

ご当地の名物・名所が少ないというだけでなく、県民性もどこか卑屈だ。「東京の腰ぎんちゃく」「新住民は都心近くに家を買えなかった人たちでしょ?」という陰口を長年叩かれ、耐性ができてしまったからだろう。そこそこの生活環境の中で暮らし、人当たりは悪くないけれど、どこか陰=ダークな部分がある――それが埼玉のカラーだ。
しかし浦和レッズのサポーターの応援を見れば分かる通り、アイデンティを求める彼らの叫びは、血潮のように赤くて熱い。

そんな埼玉県民の魂を揺さぶる本が2015年9月4日に発売された。「埼玉最強伝説」(笠倉出版社)は、ご当地に伝わるダーク伝説をまとめたエッセイコミックだ。

「月曜から夜ふかし」のイルマニアも取材

この本は全部で13の伝説で構成されている。
その中の1つ「伝説2 埼玉県民の胸の内外」は、埼玉女子の胸が日本一ペチャパイという話題を取り上げた。

巷に広まっている仮説は、長い通勤通学のせいで睡眠不足になり、発育の遅れでペチャパイになった――というもの。ところが著者は、「電車内のチカンから身を守るため、自らの胸を小さくすることで敵に立ち向かった、埼玉女子の強さの表れ」という新説を唱える。

その実例として、日本初の女医である荻野吟子さんや、日本初の女性パイロット松本きく子さんが埼玉出身であることを挙げる。そして漫画の主人公まるいぬはこう叫ぶのだ。

このほか、「月曜から夜ふかし」に登場して一躍人気になったラッパーMCMA(通称「イルマニア」)に直接会ったときのことをまとめた「伝説9 埼玉ドリーム」は、思わずイルマニアを応援したくなる章。謙虚でしかも自分を客観視できる、いい人だったんだ......。

地元住民すらあまり知らないキーワードも詰まっている。狭山市を代表する銘菓「ケンキ」や、秩父の名物グルメ「わらじかつ丼」など、埼玉旅行のガイドブックにも使えそうな一冊。

若干自虐気味ではあるものの、心の底から埼玉を愛している主人公。物語の終盤で次のように告白するシーンが印象的だ。十万石まんじゅうではないけれど、風が語りかけるかのような爽やかさがある。

「そうなんにも無い埼玉 それが私の故郷!」
「今こそ私は埼玉県民だと堂々と言う」

著者は、「不気田くん」や「不思議のたたりちゃん」など、1980~90年代にかけてその独特の絵柄で多くのファンに恐怖を植え付けたホラー漫画家の犬木加奈子さん。もちろん彼女も埼玉在住だ。価格は853円(税込み)。