中国メディアの法制晩報は16日、中国で9月に新学期が始まったことを受け、日本の小学生向けのランドセルが人気を集めていると伝える一方、人気を集めているからと言って、盲目的に追随することは避けるべきと論じる記事を掲載した。
記事は、中国のインターネット上における代理購入通販サイトでは、化粧品やデジタル製品のほか、ランドセルも人気ランキングの上位に食い込んでいることを伝えた。
さらに、ランドセルが中国で人気を集めている背景について、中国のネット上では「ランドセルはいざという時に浮き輪がわりに使用することができ、転倒時や地震発生時には緩衝材としても機能する」といった謳い文句が掲載されていることを伝え、中国の保護者からすれば「救命カバン」として機能するのであれば「1000-9000元(約1万8000年-16万9000円)」を支払う価値があると伝えた。
続けて、中国の大手通販サイト「淘宝網(タオバオ)」で検索してみると、検索結果には4568件ものランドセルが表示されたと伝え、もっとも売れ行きの良いランドセルは1550元(約2万9000円)の製品で、日本からの直送であることが示されていたと紹介。すでに62件の取引があったほか、1000人近くのユーザーが同ランドセルの購入を検討する「お気に入り」に入れていたことを紹介した。
また、中国の一部メディアがランドセルの「救命能力」について実験を行ったところ、確かにランドセルは体重45キロの子どもが掴まっても浮いていたとし、浮き輪の代わりとして機能したと紹介。また、ランドセルに内部に卵を貼り付け、2メートルの高さから落としても卵は割れなかったと伝え、ランドセルメーカーは「救命能力」を謳っていないものの、確かに一定の救命能力はあるようだとした。
一方で記事は、ランドセルは「確かに品質は非常に良く、小学校の6年間は使用することができる」と指摘する一方で、価格が高いのは「救命カバンとして機能するため」ではなく、むしろ日本のランドセルメーカーは「浮き輪がわりに使用することができる」、「緩衝材としても機能する」などとは一言も謳っていないと伝えた。
さらに、ランドセルを購入した保護者の話として、「ランドセルは重く、教科書やノートがあまり入らない」と伝え、購入後に後悔する中国人消費者も少なくないと指摘し、人気を集めているからと言って、盲目的に追随することは避けるべきとの見方を示した。(編集担当:村山健二)(写真は法制晩報の16日付報道の画面キャプチャ)