中村勘九郎、「野田版 鼠小僧」上映で父・勘三郎さんに思い馳せる | ニコニコニュース

故中村勘三郎さんの思い出話に花を咲かせた中村勘九郎(6代目)ら
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故中村勘三郎さん(18代目)主演の「シネマ歌舞伎 野田版 鼠小僧」が9月21日、東京・台東区で開催中の「第8回したまちコメディ映画祭in台東」で上映され、中村勘九郎(6代目)と作・演出の野田秀樹らが東京・浅草公会堂でトークイベントを行った。

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同作は、2003年に東京・歌舞伎座で上演された舞台で、シネマ歌舞伎の第1弾として2005年に劇場上映された。勘三郎さんが、金にしか興味のない棺桶屋の三太を演じ、勘九郎と中村七之助(2代目)と親子共演した。

野田が、勘三郎さんが故市川八百稔さん演じる爺ひょっとこを蹴飛ばすシーンを思い出し、「ひどいね(笑)」と笑うと、勘九郎は「父はそれが気に入っていた」と述壊。「普段でも八百稔さんに会うと『おい、じじい、死にそうか?』と聞いて、八百稔が『ふざけんな』と言うのが定番の挨拶だった。2人とも逝っちゃったから、向こうでもやっているんじゃないですか」と亡き父に思いを馳せていた。

また勘九郎は、現在2歳の次男・哲之(のりゆき)ちゃんが「自分を鼠小僧だと思っている。のりと呼ぶと『哲之じゃない! 鼠小僧!』って」と明かし、会場の笑いを誘っていた。

野田は当時のけいこの様子を振り返り、「みんな忙しいから、大阪まで追いかけて行ってけいこした」と懐かしんだ。いとうせいこうが「キャラクターの濃い役柄が多い同作でも個々の良いところが活きている」というと、「それはやっぱり歌舞伎の役者さんの品の良さ」と称賛した。

一方の勘九郎は、野田の演出を「愛がある」といい、「ひとりひとりにダメ出しをしに行く。それを父も役者さんたちも本当に喜んでいた。感謝していました」と謝辞を述べていた。「第8回したまちコメディ映画祭in台東」は、9月22日まで開催。