アニメの放送が少なく、放送されても再放送ばかりという「アニメ砂漠」と言われる静岡県。そんな静岡県で生まれた異色の短編アニメ「BAR 嫌われ野菜」が好評です。主役は野菜で、しかも嫌われ者という設定。KADOKAWAと地元テレビ局「静岡朝日テレビ」が生み出した新たなキャラクターは、テレビを飛び出し新聞の4コママンガになったり、ミニライブが企画されたり、多方面での活躍を見せています。
【4コママンガ】人生の悲哀を野菜が訴える…シュールな「嫌われ野菜」
コンセプトは「野菜の悲哀」
「BAR 嫌われ野菜」はKADOKAWAが作ったツイッターとWEBコミック発のキャラクターコンテンツです。地元テレビ局「静岡朝日テレビ」が出版大手KADOKAWAと共同でアニメ化しました。このアニメ、本編は60秒しかない、かなり短編の作品です。
「BAR 嫌われ野菜」では、「とにかく臭いがダメ」と言われ「子どもに嫌われる」といった悩みを抱えたセロリやナス、ゴーヤなどの野菜キャラクターが登場。嫌われる野菜の悲哀を通して、現代社会に生きる辛さを表現しています。
自前のキャラなかった地方局
KADOKAWAが提携先として静岡朝日テレビに注目したのは、アニメの放送が少なく「アニメ不毛の地」と言われる県内でアニメやゲームのほか、動画サイトで楽曲や歌を披露する「歌い手」のイベントを成功させてきた実績です。
多くの地方テレビ局は、長く親しまれるキャラクターをほとんど育てられておらず、収益の多くをキー局からの放映料やTVコマーシャルに依存しています。今回のアニメ放映で長期的な人気が出れば、静岡朝日テレビは農家やレストラン、食品業界など様々な県内企業との提携が期待でき、イベントも企画できると見ています。
実際、夏からミニライブなど静岡限定イベントも始まりました。地方局の自前キャラクターによる挑戦が続きます。