トヨタ自動車の米子会社が「空飛ぶクルマ」の特許を米国で出願したことが明らかになり、堅実で知られるトヨタからしからぬ話題として注目を集めています。
(出典:米国特許商標局)
そこで、どのような出願内容になっているのかを確かめようと、検索を試みたところ、3件の米国特許公開公報が見つかりました。この機会にここで、ご紹介しようと思います。
(出典:米国特許商標局)
トヨタの3件の米国特許はUS2015/0246720A1:Gandhi et al.特許、US2015/0232180A1:Nam特許、そしてUS2015/0047337A1:Gandhi特許になっています。このうち3件目のGandhi特許は審査を経て特許登録がなされています。
(出典:米国特許商標局)
いずれも出願人は、トヨタの北米での開発・生産子会社である、トヨタモーターエンジニアリング&マニュファクチャリングノースアメリカ(TEMA)となっています。
(出典:米国特許商標局)
1件目のGandhi et al.特許はタイトルが「空飛ぶ自動車のための積み重ね可能な翼」となっており、2014/3/2に出願され、2015/9/3に公開されています。
2件目 のNam特許はタイトルが「空飛ぶ自動車のための2重チャンネル型翼」で、2014/2/14に出願され、2015/8/15に公開されています。
3件目のGandhi特許のタイトルは「翼のための2次元変形構造」で、2013/1/28に出願され、2015/2/19に公開され、米国特許商標局での審査を経て2015/3/31にUS8991769B2として特許登録されています。
(出典:米国特許商標局)
今回話題になっている空飛ぶクルマの特許となるのは、1件目のGandhi et al.特許と2件目のNam特許です。これら2件の特許は、公開されただけの未審査の状態で、これから特許として認められるか否かの審査を受けるという段階です。
これらのトヨタが夢見る「空飛ぶクルマ」が実車として制作されるかどうかは不明ですが、自動車王国でしかも特許分野でも権威のある米国にトヨタ名義で特許出願したのですから、まったくのデマというわけではないと思われます。
いまのところトヨタとしては、これらの「空飛ぶクルマ」特許は、技術者の頭脳やひらめき、不断の努力、情熱の表れだとして静観しているようですが、今後の成り行きが注目されるところです。
続報として別の記事でこれら3件のトヨタによる空飛ぶクルマ特許の詳細について説明しようと思います。
(山内 博)