仮想現実の専門家らに聞いた、ゲーム以外でのVRの可能性 | TechCrunch Japan

仮想現実がブレークスルーを起こすのはゲームの分野ではないかもしれない。HTCのClaude Zellweger、SonyのRichard Marks博士、 Felix and Paul StudiosのPaul Raphaëlは、TechCrunchライターのDrew OlanoffとDisrupt SFのステージに登壇し、仮想現実について話した。VRの専門家らは、ユーザーがお気に入りのメーカーのVRヘッドセットでこれから数年内に利用できるコンテンツについて多くのことを語った。

「この媒体でユーザーが何を作れるかというのが焦点です」とClaude Zellwegerは言う。「VR向けのコンテンツを製作するためのツールに興味を持っています。最初は360度型の動画が焦点になると思います。その後は、VR向けのFlashとかが出てくるでしょう。」

VRのツールだけでなく、ツールで何ができるかも重要だ。「アーティストとして、仮想現実は私の想像を遥かに超えるものでした。多くの人はVRをゲーム以外の用途で使うことになると思います。映画鑑賞やテレビのような使い方です。」とPaul Raphaëlは言う。

またRichard Marks博士は「多くの人は仮想現実は独りで楽しむものだと考えていますが、独りではないのです」と話す。「他の人が周りにいるように感じます。誰かに手を伸ばしたりすることもできますし、相手の表情を見ることもできます」。

そして、Oculusの話になった。Facebookは、Oculus VRを20億ドルで買収し、仮想現実の領域で大きな賭けに出た。

「そのことは、人々が気づくきっかけになったと思います」とZellwegerは言う。「たくさんのプレイヤーを許容できる広い領域がそこには広がっています。そういった意味でOculusは市場を引っ張っていると言えるでしょう」。

Raphaëlは「この新しい媒体には、もう太鼓判を押されたようなものです」と言う。そこから先にはどうやって進めば良いのだろうか?仮想現実が便利なものであると証明する多種多様な方法を見つけ出し、多くの人の利用を促すことだ。

Marks博士は「私たちは違う業界にも目を向けています。ゲームは確かに一番で、私たちが抱えるゲーマーはとても仮想現実の到来に興奮しています。Sonyには映画会社もありますしね」と話す。「NASAとも協力しています。VRには様々な可能性があるのです。教育や不動産業を始め、本当にたくさんあります」。

VRのコンテンツ企業が登場し始めているが、中には悪質なコンテンツを製作する者もいるだろう。「悪影響のあるVRも多く生まれるでしょう」とZellwegerは言う。仮想現実のコンテンツは、まだ巨大な実験の最中だ。それらの実験の中から、最高のコンテンツが生まれることを考えたら、実験は必ずしも悪いことではないだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter