あれ、アポロ計画って40年前にミッション完了したはずじゃ…?
科学者たちにとっては、まだ終わっていなかったようです。地球から最も近い天体である月での地震。その原因は、地球の引力から隕石の影響までさまざま。科学者たちはアポロ計画の1960年代後半以降、総じて1万3000回以上の揺れを記録してきました。そしてそれらの多くは、頑張れば人間の目でも確認できたのだそう。
今回、ある研究チームはコンピューターのプログラムを使い、1972年のアポロ16で収集された膨大なデータから、まだ知られていなかった月震の存在を確認しました。しかもその数、210回。
プログラムを構築したのはMax Planck研究所のBrigitte Knapmeyer-Endrun氏。データの海から月震の特定を可能にしました。ちなみにそのプログラムは、音声認識に使われるアルゴリズムと同様のものを使ったのだそう。
さて、2016年にはNASAの火星探査機InSightが火星へ打ち上げられる予定です。あの赤い惑星を内側まで深く、膨大なデータを処理しながら研究するうえで、今回の研究者たちは同じようなアプローチが役に立つかも知れない、と期待しているようです。
アポロ計画時代からの人類の歩みが現代、そして未来に…。人類の歴史の一歩ってこうやって時代と惑星を越えていくのかしら。地球と宇宙の未来にわくわく。
source: New Scientist
Maddie Stone - Gizmodo US[原文]
(Rina Fukazu)