先日開かれたアップルのスペシャルイベントではiPad ProやiPhone 6s、Apple TVの影に隠れてしれーっとアップデートされていたiPad mini 4。
従来のiPad mini 3と比べてさらに薄く、軽くなりました。底部スピーカーの穴が1ラインになったり、サイドスイッチがなくなったり(薄すぎて付けられない!?)と、iPad Air 2世代のデザインを踏襲した形になったのも注目すべきポイントです。
実はmini 3ってAir 2と比べると、わずかに厚かったため「miniっぽくないなぁ…」と思ってしまったのですが、mini 4でAir 2と同じ厚さ(6.1mm)になりました。これでようやく正しいminiの姿を取り戻したのではないでしょうか。
また、内部スペック的にも、CPUはApple A8で、メモリは2GB。小さい体に満足できるスペックを詰め込んでいて、しばらくは主戦で快適に使えるiPadとなってくれるはずです。
ガジェットとは何であるか。それはテクノロジーを手中に収めることで、日々の生活を豊かにするモノ(またはコト)にほかなりません。そういう意味ではiPad mini 4はまさにガジェットです。
僕が購入したのはWi-Fi+Cellularモデル、64GBゴールド。もともとは母にプレゼントするつもりでした。まぁ、最初は自分でちょっとだけ触るつもりで、少しだけ楽しませてもらおうかなというつもりで、すぐに返すつもりでした。
なぜ「つもり」を連呼しているかというと、まだ手元にあるからです。iPad mini 4が。
プレゼント用に買ったのは本当です。しかし、触ってみたところその薄さ、軽さ、機動力。そこからiPad mini 4といっしょにいる自分の姿を想像してしまったのです。その結果、「あっ、ごめん。仕事でちょっと使うんだ」と、母の手から2日で奪い返す最低野郎の誕生です。だってもっと遊びたくなっちゃったんだもん。
さて、どう使うかというと、やはり僕としてはこれを持って出かけたいのです。PCバッグをもって、MacBookを入れて、「よし!」っていう気分じゃなくて、ポーチにさっとmini 4を入れてそれだけで気軽に出かけたい。
情報入手の効率や、できることの多さを考えるのであればMacBookがベターですが、僕の目指す気軽にはまだ少し重いしデカい。9.7インチのiPadもまだデカい。iPhoneは…というと、5.5インチのiPhone 6 Plusはスマホにしてはデカい方ですが、やはりどうしても画面を覗き込むような形になってしまいます。せっかくのお出かけにこれじゃあ物足りない。なにより、そんな窮屈な気分になりたくない。
それぞれの生活シーンにはそれぞれ最適なガジェットがあります。そのためのiPad Proであり、そのためのiPad mini 4です。僕の場合は持ち歩く……。いや「いっしょにお出かけする」場合に、どんなガジェットがあれば楽しいか?を想像した結果、このiPad mini 4が最適かつ至高のバランスであるという答えにたどり着いたのです。
それは、いちど試したら忘れられなくなりました。薄く、軽く、しっとりとしたボディに触れるたびに、アンテナピクトのバーを見るたびに、理由をつけて出かけたくなるのです。まるで恋をしたような気分です。
iPad mini 4はWi-FiモデルとWi-Fi+Cellularモデルがありますが、僕のようにいっしょにお出かけしたいのであれば、やはりWi-Fi+Cellularモデルをおすすめします。
iPhoneでテザリングすればいいじゃん?とも思われるかもしれませんが、それ単体で通信できるタブレットというのは便利です。事実、iPad miniのWi-Fiモデル(初代)を持っていたのですが、その子は外に持って行こうとは思いませんでした。正確には何度か持って行ったのですが、スマートカバーを開いてすぐにネットが使えないというストレスは予想以上に大きなものだったのです。
モバイル通信が使えるWi-Fi+Cellularモデルであれば、Wi-Fiに縛られません。iPhoneを操作しなくてもいいですし、スマートカバーを開けた瞬間からインターネットがスタートすることが何よりも快適です。
また、SIMフリーモデルでMVNOの安いデータ通信SIMを利用することもできます。利用スタイルにもよりますが、週末、外に出かけるときに携帯する程度であれば一カ月で2GB〜3GB程度あれば用事は足りるのではないでしょうか。もしくは使い放題系のSIMを使って外でHuluやNetflixなどを楽しんでみてもいいかもしれません。
Touch IDにも驚きました。
ロック解除やアプリ購入などの場面で指紋による認証を行うことができるTouch ID。iPad mini 3から搭載されていますが、mini 4では世代が変わったように思えます。認識速度が圧倒的に速いんです! アップルがさらに優れたものになったと言うiPhone 6sシリーズに搭載されているものと同様のセンサーを採用したのではないでしょうか。指を置いた瞬間に認識されます。本当に速い。
欠点としては、本体が薄くなったため既存のスマートカバーやケースが使えなくなったことが挙げられます。不思議に安いiPad mini 1〜3世代のサードパーティー製カバー、ケースはほぼ全滅かと思われますので、対応製品が出るまでしばらくは、4,860円(税込)の純正スマートカバーを使う必要が出てくるかもしれません。
しかし、純正スマートカバーの品質は非常に高く、寸分違わずiPad mini 4にジャストフィットします。カバー自体も軽量なので、フットワークも保つことができ、そういう意味では最高です! あと6,000円足せばさらに1ランク上のストレージにできるのに……という邪念を払えば、きっと満足できるでしょう。
iPad mini 4は、さらなる軽量化と薄型化によって所持することの意味を変えたように思えます。それはどちらかというとApple Watchに性質が似ていて、何に使うか?ではなく、どういう生活をしたいか?
こういった視点で見ると、自分にとって必要か不要かを判断できるのではないでしょうか。
アップルストアや家電量販店、通信キャリアの販売店舗には実機が並び始めているはずなので、ぜひ一度触ってそのサイズ感を手で感じてみてください。個人的には、ここまで力説してきたとおり、モバイル通信が使えるのWi-Fi+Cellularモデルを手に入れて、家の中はもちろん、いっしょにお出かけも楽しんでもらいたいと思っています。
あと、純製のmini 4専用スマートカバーは絶対に買いましょう! 軽くて快適ですし、画面も守れます。高いけど!
source: アップル(iPad mini 4)
(小暮ひさのり)