日本通信は24日、同社のHLR(Home Location Register)とソフトバンクの携帯通信網との相互接続を正式に申し入れることを発表しました。
HLRは、携帯電話番号や端末識別番号などの顧客情報を一元管理するデータベースで、携帯網を利用するためのものです。日本通信によると、自社HLRを持つ日本のMVNO(仮想移動体通信事業者)は存在していないとのことで、サービスの独自性を打ち出すことができていないといいます。
日本通信は、データ通信サービス「b-mobile」のほかに、法人向けに無線通信ソリューションなどを提供するMSP事業も行っており、競合との差別化を図ってきました。このMSP事業の推進において同社は次世代MVNO基盤の構築を進めており、今回発表されたソフトバンクとの相互接続が実現されれば、HLRをコアとする事業の大きな強みとなります。
次世代MVNO基盤の新サービスの一つとしては、国内外で日本通信が接続している携帯ネットワーク網を一元的に利用できるサービスを構築することができることが挙げられています。日本通信は法人に向けて、IoTなどの分野で同社の無線専用線と組み合わせた機器を海外へ輸出することができるようになるとアピールしています。
日本通信は、すでにNTTドコモの携帯通信網とは相互接続の申し入れを行っています。NTTドコモやソフトバンクといったキャリアの携帯通信網の活用が可能になれば、ほかのMVNOからさらに抜き出た存在となりそうです。
9/24 JST 14:55 追記
初出時、「日本通信とソフトバンクが相互接続を開始した」と受け取れるタイトル・記事表現となっておりましたが、今回の発表は「日本通信がソフトバンクに相互接続の申し入れを行った」ものです。記事本文の表現を訂正し、お詫び申し上げます。
[日本通信]