独VW社長、引責辞任=排ガス不正で「社のため決断」

 【フランクフルト時事】ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のウィンターコルン社長は23日、ディーゼル車の排ガス不正操作問題の責任を取るため、監査役会に辞意を伝えたと表明した。VW創立以来で最大級のスキャンダルは、トップの辞任という事態に発展した。

 ウィンターコルン社長は声明で、「この規模の不正が社内で行われたことに衝撃を受けている」とした上で、「自身で過ちを犯したとは考えていないが、社の利益のために決断した」と強調。「辞任により、新たなスタートへの道を開きたい」と述べた。

 AFP通信によると、VWは後任を25日に発表するという。

 VWは22日、排ガス中の環境汚染物質を当局などの検査時だけ減らすよう制御された車種が、世界で1100万台に上る可能性があると発表。対象車種は欧州などが中心で、日本では販売されていない。米国やドイツではVWを刑事訴追する動きも出ている。

 ウィンターコルン社長は2007年就任。中国での急成長や他メーカー買収を主導し、就任から14年までに年間の世界販売台数を約400万台増やした結果、VWは15年上半期にトヨタ自動車を抜き、世界首位に立った。 

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