【フランクフルト時事】ドイツのドブリント運輸相は24日、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が欧州でも米国と同様に、ディーゼル車の排ガス浄化機能を不正に操作し、規制を回避していたと明らかにした。ディーゼル車販売の大半を占める欧州での規制逃れが確認されたことで、VWの不正は一段と広がってきた。

 同相はさらに、国内外の他メーカーのディーゼル車についても、排ガスの調査を行う方針を示した。BMWやダイムラーなど独メーカーは、不正を否定している。同相は、VWの不正車を走行禁止措置にするかについては、実態調査を進めてから決定すると述べるにとどめた。

 VWは米国で、ディーゼル車の排ガス浄化機能を検査時だけ働かせて規制を回避。通常走行時には、燃費悪化などの原因となる浄化機能を弱め、基準値を大幅に超える有害物質を排出していた。VWは同様の機能を持つ不正車は世界で1100万台としてきたが、米国以外でも実際に規制を回避したかは明らかにしていなかった。

 同相によると、欧州で規制逃れの対象となっていたのは排気量1600ccと2000ccの車種。不正車の台数は明らかになっていない。